近隣住民「(男性が)ズボンまではかんで出てお家を出てきた。そのあくる日に救急車やったけんね」 

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近隣住民が事件前に目撃していたズボンも履かず外を出歩く男性の姿。

3月5日、長崎県波佐見町で内縁関係にあった40代の男性を、全裸のまま自宅アパートのベランダに2日間監禁、低体温症で死亡させた監禁致死の疑いで津村美保容疑者(54)が逮捕されました。

事件があったのは、3年前の2月。一体、何があったのでしょうか?

「めざまし8」は事件現場周辺を取材しました。

内縁夫を“真冬のベランダ”に全裸で監禁か?

6日、送検された無職の津村美保容疑者54歳。 津村容疑者は内縁の夫を、全裸でベランダに監禁し、低体温症で死亡させた疑いがもたれています。

事件当時、現場近くの観測点の気温を調べると、最低気温が4℃にも満たない真冬の日々が続いていました。

番組スタッフ:
男性が監禁されていたベランダは奥まったところにあり、外からは見えづらいところにあります。

そのベランダの様子について、同じアパートの別の部屋に出入りしていた女性に話を聞きました。

近隣住民:
ベランダってね、ちっちゃいの。洗濯物をちょっと干すぐらいの。もう幅もないしで。室外機があるでしょう。あれを置いて、ちょっと隙間が空くぐらい。

証言を基にベランダの作りを再現してみると、狭いところにエアコンの室外機が置かれ、大人が横になることもままならない空間です。

ここに監禁されたとみられる男性は、全裸で寒さに耐えていたのでしょうか。
さらに、男性の鼻などには複数の傷があり、津村容疑者は傷害の疑いも持たれています。

事件前の“異変” 男性は「ズボンもはかないで…」

近隣を取材すると、この事件前、ある異変が見られていました。

近隣住民:
早い時間でしたよ。(早朝)4~5時とか。ものすごく音が聞こえたんですよ。とにかく男性と女性が言い争う声というか。
ケンカする声。女性の方がひどいヒステリックみたいな叫び声を言っていた。
追いかけているような足音も聞こえた。

早朝に響いていた、男女が争う声。
さらに、事件前日には、男性の不可解な姿が…。

近隣住民:
男性があのズボンもはかんで、なんかあの履き物も履いてないで、靴下だけ。靴下だけで履き物持って、こう出てきていたけんね。
で、もう一つ、ビニールの袋、この買い物の白い袋、それに何か入ってるか知らんけど、その辺に来てからズボンば履いて、それから裸足でずっと向こう行ったけん、この裸足でと思って見とったとですよ。

ズボンも靴も履かず、外を歩いていたという男性。その後、こんな女性の姿も目撃されていました。

近隣住民:
(女性が)泣いてきたと。わんわんわんわんわん泣いたけんね。私にところへ来て泣いたって…。泣かずにもっと考えなさいって、優しく考えなさいって、そう言って慰めた。

複数の人たちが目撃していた異様な姿。
また男性が亡くなった直後、津村容疑者は…。

――事件の翌々日に葬式?
近隣住民:

ありました。喪主をしていたと聞いていたから、事件性はなかったのかなと思っていた。

男性の葬儀で喪主を務めていたといいます。

5日の逮捕後、警察の取り調べに対し、津村容疑者は「私は何もしていません」と、容疑を否認。

しかし長崎県警は、津村容疑者が日常的に男性に暴力や精神的な抑圧を加えるなど、内縁関係のもつれがあったとみて、詳しい状況を調べています。

発生から3年以上を経ての逮捕となった今回の事件。ここまで逮捕に時間がかかった要因とは何だったのでしょうか?

「めざまし8」は、元埼玉県警捜査一課警部補の佐々木成三氏に見解を聞きました。

佐々木成三氏:
死因が外傷ではなく「低体温症」だったため、監禁が被害者を低体温症に至らしめる原因になったと立証するのが困難だったのでは。

――立件に3年かかった理由は?
成人男性なら2階から飛び降りたり窓を割ったりする選択肢もあった中、被害者はそれを選ばなかった。容疑者が断続的に暴力などで被害者を「心理的に監禁」し、逃げる選択肢を消していたと立証するのには時間を要する。
(「めざまし8」3月7日放送より)