熊本県内の路線バスと熊本電鉄の電車では、2024年に『全国交通系ICカード』を廃止して、2月から『タッチ決済』が導入された。廃止の理由は『高額な更新費用』と『国の補助が受けられない』ことだったが、まだ方針を出していない熊本市電について、3月6日の熊本市議会・地域公共交通に関する特別委員会で、熊本市側が国の新しい補助について報告をした。
2025年度から『単純更新』も補助の対象へ
3月6日の熊本市議会・特別委員会で交通企画課の職員は「来年度の国の支援制度において、これまでは機能向上を伴わない『単純更新』は補助対象にはならなかったが、今回対象となる旨の方針が示された」と明らかにした。

これまではなかった全国交通系ICカードのシステム更新への国の補助が、新年度に対象となる可能性が出てきたという。

全国交通系ICカードのシステム更新について、齊藤博委員が「来年度のいつまでに結論を出さないといけないのか」と聞くと、熊本市交通局の総務課の職員は「システム保守期限は令和8(2026)年3月末となっている。それまでに方針を決定した上で必要に応じて機器入れ替えが生じる」と答弁した。

上野美恵子委員は「検討する余地がありますよね」と述べ、井本正広委員も「全国が手を上げるのではないかと思うので厳しいが、しっかり対応できればと思う」と話した。

また、上田芳裕委員も「10カード(全国交通系IC)が残ることも、検討の一つと思う。市民の声をしっかり反映した検討となるよう努めてほしい」と意見を述べた。

熊本市交通局の総務課の職員は「市民の声を拾い上げられるように努めたい」と答え、熊本市電の決済手段の行方については、補助対象や割合など、新年度初めに示される予定の国の補助要綱をにらみながらの検討が始まることになった。
熊本市電の7つの決済方法の利用状況
熊本市電の運賃決済の利用状況として3月6日示されたのが2025年1月現在のデータ。

●全国交通系ICカード34.3%(定期含む)
●現金23.6%
●くまモンのICカード(おでかけIC含む)17.8%
●モバイル定期8.0%
●QRコード5.5%
●1日乗車券など4.9%
●タッチ決済4.8%

ポイントは今後示される『国の補助の方針』、そして現在すでにくまモンのICカード、タッチ決済、現金の3つの手段となっている『バスでのサービスの状況』、それに『利用者のニーズ』をどう踏まえるかとなりそうだ。
(テレビ熊本)