兵庫県議会の百条委員会が5日、斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを一部認定する報告書をまとめた。斎籐知事は「業務上必要な指導」とし、違法性を否定。告発者探しと処分の違法性も否定したが、贈答品問題では県民が疑念を抱かないルールが必要と示唆した。今後、第三者委員会の結論次第では、不信任案再提出の可能性も指摘されている。

一定の事実認定も「違法性なく適切」

5日午後3時過ぎ、百条委員会の報告書について、兵庫県の斎藤元彦知事が定例会見で見解を述べた。

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青井実キャスター:
報告書の主なポイントを見ていきます。1つ目、パワハラ疑惑は、「一定の事実認定」があったということです。
2つ目が告発者探し・処分で、「違法の可能性」ということです。
3つ目の贈答品疑惑については、「“おねだり”否定できず」ということになりました。
こうした点に対し、斎藤知事はどういった発言をしたのか、1つずつ聞いていきたいと思います。

宮司愛海キャスター:
まず、百条委員会で一定の事実が認定された「パワハラ疑惑」についてです。

兵庫県・斎藤知事:
厳しく指導・注意をさせていただいたが、業務上必要な範囲内で本当に県政を良くしたい、良い仕事をしてほしいという思いでさせていただいた。不快に思われたりした方がおられれば、そこは申し訳ない。

宮司キャスター:
また、告発者探し、元県民局長の懲戒処分について「告発者つぶしと捉えられかねない」「文書は外部公益通報に当たる可能性が高い」と指摘された点については次のように話しました。

兵庫県・斎藤知事:
違法性についての可能性ということを言っているので、可能性というからには他の可能性もあるということです。内容・手続きともに問題はなかった。違法性の問題はなく適切だったと考えています。

会見を行った兵庫県の斎藤知事
会見を行った兵庫県の斎藤知事

宮司キャスター:
懲戒処分は「適切だった」と説明しました。そして、「おねだり疑惑」については、個人として消費していたと捉えられても仕方がないとされた「贈答品の受け取り」について、次にように話しました。

兵庫県・斎藤知事:
物品受領についても、県民の皆さんが疑念を抱かないようなルール作りが大事だと考えています。改めるべきところは、しっかり改めていくことが大事だと考えています。そういう点を含めて一連の対応については、私としては問題ないと考えています。

第三者委員会の結果次第で「不信任案再提出」の可能性も

宮司キャスター:
また、斎藤知事は報告書や各項目について聞かれると、「1つの見解として受け止める」という発言を繰り返しました。

青井キャスター:
従来通りの説明を繰り返しているなという印象も受けましたが、一方で今回の報告書は法的な拘束力はないんですよね。

宮司キャスター:
その点に関して、地方自治・選挙などに詳しい法政大学大学院の白鳥浩教授に聞きました。百条委員会は、議会として何が真実かを認定する場であって裁判所ではないので、有罪無罪を判断するところではなく、“提言止まり”ではあるということでした。

宮司キャスター:
ただ、パワハラ認定がされているので、議会としても何もしないわけにはいかないだろうと白鳥教授は話していました。

今後の可能性について、斎藤知事への「辞職勧告決議案」を出す動きがあるかもしれない。ただこれが可決されても、辞めるのは知事自身の判断になります。そして、百条委員会とは別に「第三者委員会」も3月中に調査結果を発表する見通しですが、もしこちらでもパワハラ認定、公益通報者法違反など指摘があれば、議会もより強い態度に出ざるを得ず、不信任案再提出の可能性もあるというのが白鳥教授の見解でした。

青井キャスター:
知事は嘘八百と言っていたが、一部事実だと指摘があったわけですが、この辺どう見ますか?

SPキャスター パックン:
報告書としては、選挙前だったら結構影響を与えたんじゃないかなと思います。でも、一回自分の進退を問う選挙が終わって当選している知事ですから、あまりこの先も影響ないんじゃないかなと思います。ただ、一部であってもその真実は真摯に受け止めて改善していただきたいです。違法の可能性がないと断言できるような、県の動きが必要だと思う。
(「イット!」3月5日放送より)

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