2025年3月24日から始まる「マイナ免許証」。名前から運転免許証とマイナンバーカードが一緒になったものと想像できても、詳細はよくわからないという声が多い。交付手続きから従来の免許証との違い、そして注意することまで、新たな身分証明書の全容に迫った。

知っているようで知らない「マイナ免許証」とは

「聞いたことがある。でもよくわからない」と、多くの人がこう答えるマイナ免許証とは、その名の通り「マイナンバーカード」と「運転免許証」が一体化したものだ。

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マイナンバーカードはすでに「保険証」として利用できるが、3月24日から新たにICチップに運転免許証の情報を追加することで、マイナ免許証としても利用できるようになる。

利用するかどうかについては意見が分かれている。「(カードが)1つになった方が2つ3つ持ってるよりは楽かな」と利用を前向きに検討する男性がいる一方、「マイナカードを普段持ち歩くのが嫌なので運転免許証と別にしようと思っています」と利用しない予定の女性もいる。また「どんなメリットがあるのかがわからないので、あまり今は関心はないです」と答えた女性もいた。

全国約1万人を対象にくふう生活者総合研究所が2025年2月に行ったインターネット調査では、9割の人がマイナ免許証の開始を知っているものの、所有するかどうか聞くと、最も多い約4割の人が「様子を見たい」と答えた。何となく知ってはいるが、所有には慎重な人が多いのが現状だ。

3つの選択肢と手続き上のメリット

2025年3月24日以降には運転免許証は次の3つから選べるようになる。

(1)従来の免許証を返しマイナ免許証のみを持つパターン
(2)マイナ免許証と従来の運転免許証を2枚とも持つパターン
(3)従来の運転免許証のみを持つパターン

(2)の2枚とも持つ場合は、どちらか1枚を身につけていれば車の運転ができる。
気になるのはマイナ免許証のメリットや注意点だ。

マイナカードと運転免許証が一体化している人は、引っ越しなどをした際、市役所で住所変更の届け出をするだけで免許証の住所も自動更新されるため、これまでのように改めて警察署などで手続きをする必要はない。

「今度県外に移住する予定があるので、ひもづけしてもいいかな」と話す男性や、「早く手続きできるのは時間の都合と制約がある人はすごく便利」と評価する女性もいる。

このほかマイナ免許証のみ持つ人は、免許の更新手数料が750円安くなったり、更新の時に受ける講習をオンラインで受講できたりするメリットもある。

注意すべき有効期限の違いと情報消失の危険

一方、注意点もある。

愛媛県警察運転免許課の土居秀行警部は「マイナンバーカードの有効期間と運転免許証の有効期間が異なってきますので、その点誤りのないように気を付けていただく必要がございます」と話す。

「マイナンバーカード」と「運転免許証」にはそれぞれに有効期限があり、マイナ免許証に記載されているのは「マイナンバーカード」の有効期限のみだ。運転免許証の有効期限はマイナポータルにログインするなどの方法で確認する必要がある。

そして、最も注意すべきポイントがある。

現在のシステムでは、マイナンバーカードを更新すると、新たに発行されたカードに運転免許証の情報が自動更新されず、消えてしまうのだ。警察で改めて「マイナ免許証」の手続きをする前に車を運転してしまうと「免許証不携帯」の交通違反になるため、警察は注意を呼びかけている。

マイナ免許証への切り替えは、免許の更新時のほか有効期限の途中でも運転免許センターや警察などで手続きをすることができる。愛媛県警察は、不明な点があるときは運転免許課に問い合わせてほしいとしている。

(テレビ愛媛)

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