岩手・大船渡市で新たに発生した山林火災。
出火から1日が経った27日も火の勢いは衰えず、鎮火の見通しは立っていない。
かなり焼けている場所に男性とみられる焼死体
午前7時過ぎには、県道で男性とみられる1人の焼死体が見つかった。

発見場所は、周りの家や山がかなり焼けている場所だったという。

ヘリ・リポート:
山林火災が発生している大船渡市の上空です。何かが焼けたような跡が見えます。このあたり一帯、建物が焼けた跡が見えます。画面中央にある自動車、黒く焼け焦げてしまっています。その周りには粉々になったものが散乱しています。

市によると、これまでに焼けた面積は600ヘクタール以上で、建物の被害は少なくとも84棟以上に上るという。
消火活動の妨げとなっているのは強い風。
午後1時16分には、最大瞬間風速18.0メートルを観測した。

自衛隊のヘリが、上空からも懸命の消火活動を行った。

岩手県では、2月19日から山林火災が立て続けに3つ発生。それぞれのエリア同士の距離は2キロから9キロほどだ。

大船渡市は、1340世帯3306人に避難指示の対象を拡大した。
避難している人:
(自宅は)焼けてしまいましたね。東日本大震災のときは高台だったから免れた。今回はダメでした。
避難している人:
早く火が消えてくれることだけを祈ります。

大船渡市三陸町の三陸公民館に開設された避難所では27日朝、温かい食べ物の炊き出しが行われ、支援物資も続々と運び込まれていた。
4月に小学校の入学を控える女児も避難
また、蛸ノ浦地区公民館前の避難所には、6歳の女の子と赤ちゃんとともに避難してきた家族がいた。
子どもたちと避難した母親:
火、見ました、出火当時。風向き次第ではこっちにも飛び火すると思うんで、それが怖いですね。

6歳の女の子は、4月に小学校への入学を控えていて、ランドセルなどを避難所に持ち込んだ。
子どもたちと避難した母親:
(ランドセルは)受注発注で買った物ですから。これは絶対必要だし。入学式用の服も届いたばっかりでもったいなと思って、燃えちゃったら。
さっき(自宅を)見に行ったら、煙が結構近くまで来ていたので、不安ですね。

2011年の東日本大震災では津波が押し寄せ、大きな被害が出た大船渡市。

市内の三陸町にある越喜来小学校は、壊滅的な被害を受けたあと、近くの高台に再建され、この山林火災での避難所になっている。
震災で家を失ったという夫婦は、高台に建て直したという家から、避難を強いられている。
避難している夫婦:
津波も目の前で見た。津波で何もかも全部ダメになった。
避難している夫婦:
津波も火災もどっちが重いと言うことはない。おさえようもないしね。

大船渡市には、27日で10日連続となる乾燥注意報が出されている。
この先も、3月4日ごろまでまとまった雨や雪はなく、空気が乾燥した状態が続くとみられている。

今回の火災を受け、石破首相は、延焼阻止に向け消火活動に全力を挙げることや、住民の避難支援などに万全を尽くすことなどを指示した。
(「イット!」2月27日放送より)