名古屋市は、金山総合駅に隣接する商業施設「アスナル金山」を2028年2月までに解体し、新たな複合施設を整備する計画を発表しました。この計画では、周辺の公園や市民会館の再開発も予定していて、街全体の活性化を目指すとしています。
■“金山駅だけ”からの脱却を…人の流れを広げるための再開発
名古屋市中区の金山総合駅に隣り合う「アスナル金山」は3階建ての商業施設で、グルメやファッションなどおよそ60店舗が入り、多くの人で賑わいます。

2005年から、市の外郭団体がこの土地を借りて運営してきましたが、2028年2月までに解体し、跡地に新たな複合施設を整備することを、名古屋市が発表しました。
名古屋市まちづくり企画課の伊東秀晃課長:
(金山は)なかなかポテンシャルが生かされていない。周辺に文化施設がございますので、文化・芸術に触れられるようなウォーカブル(歩きやすい)な街づくりを進めていきたい。
再開発では主に、駅の北側にあるアスナル金山、Niterra日本特殊陶業市民会館、古沢公園が整備されます。

アスナル金山は、商業施設に加えオフィスや新たなホールなどが入る高層建築になる予定です。

老朽化した今のNiterra日本特殊陶業市民会館は2027年度末で閉館し、2035年度の開館を目指すとしています。

さらに、北側にある古沢公園もリニューアルします。
この再開発で、これまでは駅周辺に留まっていた人の流れを広げ、金山エリア全体で賑わう場所へと変貌をとげたい考えです。
名古屋市まちづくり企画課の伊東秀晃課長:
なかなか人が歩いて楽しむような空間になっていない。歩道を広げて市民会館にも顔を向けてもらえるような、人が楽しく滞在できるような空間にしていきたい。
利用者からは、「魅力のある街になってほしい」「年齢関係なく子供から高齢者まで楽しめたら」「食べるところが多いので、遊べたり動けるところがほしい」など、期待の声が上がりました。
■再開発は2032年度から着手へ…専門家「賑わいと交流の拠点で魅力的な空間に」
金山総合駅は1989年、JR・名鉄・地下鉄の駅が1つにまとまって「ターミナル駅」となり、多くの通勤客らが利用する駅となりました。

そして、2005年に出来たのが「アスナル金山」です。「明日(アス)に向かって元気になる(ナル)!」というキャッチフレーズを略して名づけられました。

中心には広場が設けられ、芸能人のトークイベントや演奏会、さらに警察のイベントなどが度々開かれ、賑わいを呼んできました。

名古屋市は今後、より細かい整備計画を立て、2032年度から事業に着手する予定です。
この再開発によって金山駅周辺はどう変わるのか、中京大学経済学部の内田俊宏客員教授に聞きました。
中京大学経済学部の内田俊宏客員教授:
非常に便利はいいんですけれども、一方でそこであえて何かするというところまでいかない。これからは賑わい・交流拠点としての方向に舵を切ることになると思います。これからは少子高齢化ですし、インバウンドもたくさん来るようになりますので、歩行者を優先した空間を作っていくと、非常に魅力的な空間になる可能性が高い。名古屋全体の魅力が高まっていく。
(東海テレビ)