ドライブレコーダーが普及し、“あおり運転”の映像は毎日のようにSNSなどでみかけるようになりました。あおり運転やあおられ運転にならないための注意点を専門家に聞きました。
■救急車の進路を妨害した容疑で逮捕の男も
三重県鈴鹿市では2024年11月、救急車の進路を妨害したなどとして2025年2月3日、会社員で35歳の男が逮捕されました。

警察によりますと鈴鹿市の国道23号で、救急車の妨げにならないよう、ほかの車がハザードをつけて道を開けるなか、男が運転する車は前方にかぶせるように数回にわたり侵入。

「道を譲ってください」「どいてください」と注意があったにも関わらず、車線をまたぐ形で停車し、その後バックして1m未満まで接近したということです。
この影響で、病院への到着が2分ほど遅れましたが、患者の容体に影響はありませんでした。

調べに対し男は「何度か妨害をしたことがあるので、今回のことかもしれないが覚えていない」と容疑を否認しています。
■左から無理やり割り込み…酒を飲んであおり運転した疑いの男
1月29日には、愛知県知多市の西知多産業道路で、酒を飲んだ状態であおり運転をしたとして60歳の男が逮捕されました。

男は、前を走っていた車の横を並んで走った後、左から前に無理やり割り込み、車を停止させたとされています。

男は「酒を飲んで車を運転し、妨害するような運転をしてしまった」と容疑を認めています。
■あおり運転に該当する10の違反行為
あおり運転とは、正しくは「妨害運転罪」といい、あおり運転を厳しく取り締まるため、2020年6月に創設されました。
妨害運転の対象となるのは、必要以上に車間距離を詰めたり、突然の急ブレーキ、無理な進路変更など10の行為で、3年以下の懲役または、50万円以下の罰金が課されます。
あおり運転の対象となるのは急ブレーキや、車間距離を必要以上に詰める、無理な追い越しなど、10の違反行為です。

【あおり運転に該当する行為】
1、通行区分の違反 2、急ブレーキ禁止違反 3、車間距離不保持 4、進路変更禁止違反
5、追い越し違反 6、減光等義務違反 7、警音器使用制限違反 8、安全運転義務違反
9、最低速度違反(高速自動車国道) 10、高速自動車国道等駐停車違反
2019年に警察庁が行ったあおり運転に関するアンケートでは、過去1年間に「幅寄せされた」「追い越された後進路をふさがれた」などが約35%でした。

3割以上の人が、あおり運転を受けた経験があると答えたということです。
■専門家に聞いた…あおり/あおられ運転を回避する方法は
この結果について、運転講習会の講師も務めるモータージャーナリストの菰田潔さんは、知らず知らずのうちに、自分もあおり運転と受け取られかねない運転をしている可能性があると指摘します。
モータージャーナリストの菰田潔さん:
自分は煽っているつもりはないのに、前の車にくっついてくる、前の車は後ろから煽られていると感じるんです。角を曲がる時にウインカーが遅いとか、急に前の車が不意な動きをすると後ろの車がびっくりしてしまう事がありますね。ホーンを鳴らすとかすると、鳴らされた方もムカッと来る。追い越しざまに前に割り込んだりとかをきっかけに応酬合戦になって、あおりがエスカレートしてしまうというケースが結構あります。自分が先に行きたいということが先になってしまうと、トラブルの元だと思います。どういう運転が良いかというと、譲ってあげるという気持ちがあれば、あおりもないし、皆がスムースに走れると思う。

菰田さんは「あおり/あおられ運転回避術」として「自分の運転の癖などを見直すことも大事。負の感情が連鎖しないよう心を落ちつかせる」ことが大切だと話しています。
2025年2月7日放送
(東海テレビ)