東京・北区にある20席ほどの小さな映画館「シネマ・チュプキ・タバタ」にやってきたのは、視覚障害のある男性。
視覚障害のある男性客:
本当に温かい雰囲気がしてとても大好きです。

ここは、“誰でも映画を楽しめるミニシアター”。代表を務めるのは、平塚千穂子さんです。

平塚千穂子さん:
目の見えない方も、耳が聞こえない方も、車椅子の方も、どんな人も、いつでも楽しめる映画館にしようということで。

館内には、暗闇が苦手な人や赤ちゃん連れの人のため、完全防音の個室を設置。

さらに、視覚障害がある人のため、全作品に映像を言葉で届ける「音声ガイド」をつけ、聴覚障害がある人には、音を振動で伝える「抱っこスピーカー」を導入するなど、すべての人が映画を楽しめる施設になっています。

平塚千穂子さん:
ほんとに映画って人の心に響くものだし、届くものだから、そこには何の隔たりもないというか、誰もが一緒だなって。

“映画には人の心を救う力がある” という思いから平塚さんは約2000万円かけ、この映画館を作り上げました。

視覚障害のある男性客:
目の見える人が、映画を受け取るタイミングと差がなく、楽しめたりするというのは本当にありがたいことです。
平塚さんは25年前、苦しい時期に映画に心を救われた経験から“どんな人も映画に触れられるようにしたい”と映画を届け続けています。

平塚千穂子さん:
映画を楽しんでくださったお客様の喜んでいる姿、笑顔をみることで「届けられて良かった」と思うし、劇場冥利に尽きますね。

“どんな人もいつでも楽しめる映画館でいたい”
平塚さんの挑戦はあすも続きます。
(イット! 1月20日放送より)