文科省が東京大学などでの共同研究を目的に、インドからの大学院生へ最大300万円の支援策を打ち出した。アメリカなどに比べ、日本へのインド人留学生受入数は少ないのが現状で、研究力強化を図る狙いだ。しかし、日本人在住のインド人からは、300万円の支援では足りないといった声も聞かれた。

インド留学生獲得の背景と狙い

研究力向上へ、文部科学省が驚きの支援策を打ち出した。
東京大学などでの共同研究を目的に、インドからの大学院生約270人の渡航費や生活費など最大300万円を支援するという。

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東大生に話を聞いた。

東大生:
インドの留学生がいて、日本も英語も5カ国語ぐらいできる、すごく優秀な方だった。

今、インドの優秀な人材を巡っては、世界で獲得競争が激化している。
Googleを傘下に持つアルファベットのピチャイCEO、YouTubeのモハンCEO、IBMのクリシュナCEOなど、これらの大企業のトップは軒並みインド出身だ。

アメリカへのインド人留学生の数が約33万7600人(2024年1月時点)なのに対し、日本は約1500人と圧倒的に少ないのが現状だ。
インド人留学生の獲得で、日本の科学技術力は向上するのか。

日本でIT企業を立ち上げたインド人のマーティンさんは、インドから来た若者30人を雇用している。

(株)JIITAK・マーティン代表:
(優秀なインド人には)AIやサイバーセキュリティーなどの分野に強みを持っている人材がいる。(インド人留学生は)日本に来るチャンスが少なくなっている。

300万円の支援で、インド人留学生への門戸は開かれるのか。日本に在住するインド人の声を聞いた。

日本在住インド人:
(300万円の支援では)足りない。

日本在住インド人:
日本が(支援金を)出してくれるのはすごい良いことだと思います。

「仕事を見つけるの難しい」費用面の課題と言語の問題も

さらに、東京・文京区の東大前に店を構えるインド料理店「バーラティ ダージリン本郷店」では、ある技能が披露された。

暗算を披露するインド料理店のオーナー
暗算を披露するインド料理店のオーナー

記者:
14×13は?
インド料理店オーナー:
182。
記者:
おーすごい!素晴らしい。

オーナーは、インド人留学生からこんな苦労を聞いていた。

バーラティ ダージリン本郷店オーナー:
「日本語が分からないと、仕事を見つけるのが難しい」と。

世界が欲しがるインド人材に、果たして日本は選ばれるのか?

(株)JIITAK・マーティン代表:
300万円のサポートがあれば、(日本に)インド人も増えると思います。インド人にとっても(支援は)とても助かると思います。
(「イット!」2月14日放送より)

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