寒いこの時期、家族で一番風呂を奪い合うこともありそうだが、専門家によると、一番風呂は塩素濃度が高く、肌の弱い人は注意が必要で、二番風呂は刺激が和らぐ利点があるという。また、半身浴は全身浴より効果が半減し、心肺機能に不安がある場合を除き全身浴が望ましいという。

塩素の濃度差に潜むリスク…赤みやかさつきの原因に

寒いこの時期、温かいお風呂に入るのは至福の時間だ。家族で一番風呂を奪い合うなんてこともあるかもしれないが、一番風呂には注意点がある。

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テーマは「一番風呂より二番風呂って、しってる?」だ。

街の人に、お風呂に入る順番のこだわりを聞いた。

街の人:
もちろん一番風呂がいいです。
ーーどうして?
街の人:

一番風呂はきれいだし、お湯が淡々としているので。

街の人:
毎回一番最後なんですけど、結構片付けとかしなきゃいけないので、本当は2番目ぐらい、真ん中あたりがいいですね。

街の人:
一番。誰が入ったかによりますけど、家族ならいいです。

街の人:
え!?家族でも絶対嫌だ。私は一番がいい。

様々な意見が聞かれたが、13人中9人が「一番風呂に入りたい」と回答した。

4万人以上の入浴を医学的に調査してきた「お風呂教授」こと、東京都市大学の早坂信哉教授に話を聞いた。

東京都市大学・早坂信哉教授:
一番風呂については、ひとつは塩素の問題があります。場合によっては、ちょっと赤みが出てきてしまうとか、肌のかさつきとかが出てくる可能性があります。

一番風呂は汚れがなく綺麗だが、早坂教授によると水道水に含まれる塩素が濃く、肌への刺激になるため、肌が弱い人は炎症を起こしてしまう事もあるので注意が必要だという。

どういう事か実験してみた。水道水を入れたコップに塩素に反応する試薬をいれると、すぐにピンク色に変わった。これは、塩素が濃い状態だという。

もう一方のコップには、指を入れかき混ぜた後に試薬を入れた。すると、色が変わらない。これは指に付いていた皮脂や汚れといった不純物が混ざり、塩素の濃度が薄くなったからだ。

これをお風呂に置き換えれば、ピンク色に変わったのが一番風呂、色が変わらなかったのが誰かが入った後の二番風呂の状態になる。二番風呂だと塩素の量が減って肌への刺激が和らぎ、肌触りの良いお湯になるという。

半身浴は全身浴の効果が“全て半分”に

竹俣紅キャスター:
乾燥や湿疹などが気になる人は、一番風呂は避けた方がいいかもしれません。1人暮らしや、どうしても一番に入らないといけない時の対策もお聞きしました。

東京都市大学・早坂信哉教授:
一番簡単なのは市販の入浴剤を使うことです。入浴剤は多くの場合、塩素を中和する成分が入っていますので、こちらを使っていただくのが一番簡単です。

竹俣キャスター:
入浴剤がない場合も、何らかの不純物が溶け込むと塩素は薄くなります。例えば、レモン果汁やみかんなど柑橘類の皮、お茶の出がらしなどでも大丈夫との事でした。是非、試してみてください。続いては、街でも多く聞かれた「半身浴について」です。

街の人:
してます。冷え性なので、あったまりたい時とかにしています。

街の人:
40分から1時間。お肌に良いとかも言うしね。

竹俣キャスター:
こちらもお風呂教授に話を聞きました。半身浴は効果があるのでしょうか?

東京都市大学・早坂信哉教授:
半身浴は、全身浴の効果が全て半分になります。

竹俣キャスター:
お風呂には、温熱作用により体を温める、浮力によるリラックス効果、水圧によってむくみを取るなどの効果があるのですが、全身浴と同じ時間入ったとき、半身浴だとその名の通り全ての効果が半減するということです。浸かっている間は血流が改善されるのですが、保湿成分が出てしまってかえって乾燥につながることがあるそうです。

青井実キャスター:
半身浴は良いと聞いたことがありますけど。

竹俣キャスター:
心臓や肺の機能に不安があり、全身浴が息苦しく感じる方にとっては半身浴は負担が少ないのでおすすめということです。きょうのお風呂の入り方は少し変わりそうですか?

青井キャスター:
いや、やっぱり一番風呂が好きなので一番に入りたいです。

遠藤玲子キャスター:
入浴剤は色が変わって子供たちが喜ぶので結構使うんですが、こういった効果があるんですね。

竹俣キャスター:
入浴剤は硫酸ナトリウムが入っているものがいいそうですので、ぜひ試してみてください。

早坂教授によると、40度のお湯に全身浴で10分間入ることがおすすめだ。
(「イット!」2月14日放送より)

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