愛知県名古屋市から、電車で30分ほどの地方都市、刈谷市にある飲食店「深夜めし けんちゃん」は、店主がドラマの「深夜食堂」に憧れて店を始め、日付が変わるころから大勢の客が集まります。

■愛知県の地方都市・刈谷市で午後10時に開店する飲食店「けんちゃん」

愛知県刈谷市のJR刈谷駅から徒歩3分のところには、飲食店が立ち並ぶエリアがあります。この路地の角にある「深夜めし けんちゃん」です。

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しかし午後9時、周りの飲食店はすべてオープンしていますが、この店はまだシャッターが閉まったままです。

「けんちゃん」の開店時間は午後10時です。飲食店といえば、午後5時から6時にオープンするのが一般的で、居酒屋だとしても遅い開店です。

この店の店主“けんちゃん”こと中野賢三さんが作る料理は地元でも評判です。

バターとしょう油が効いたベーコンとエノキの炒め物や…。

表面を炙った自家製チャーシュ―が、特に人気です。

他にも、定番のタコウィンナーに、冬に食べたくなる自家製おでんの盛り合わせなど、魅惑のメニューがたくさんあります。

深夜めし けんちゃんの店主 中野賢三さん:
(オススメは)やっぱり豚汁ですかね。ちょっと“あるドラマ”に憧れがあって。

■店のオススメ“豚汁”は憧れのドラマ「深夜食堂」から再現

中野さんが憧れているドラマは「深夜食堂」です。雑誌ビッグコミックオリジナルに連載されている漫画で、小林薫さんが主演でドラマ化され、大ヒットした人気作品で、深夜に営業している食堂が舞台のストーリーです。

その深夜食堂に度々登場する豚汁定食を真似して、自分の店でも再現したといいます。

深夜めし けんちゃんの店主 中野賢三さん:
もう本当に大好きですね。本当に憧れて「深夜めし」っていう名前でやらせてもらっています。憧れで(店を)始めちゃいました。

ドラマが好きすぎて店を開いてしまったという生粋のファンの中野さんですが、深夜だけ開いている店に本当にお客さんが来るのでしょうか。

開店から1時間経ち、午後11時を回った店内、まだお客さんの姿はありません。

深夜めし けんちゃんの店主 中野賢三さん:
まだこれからですね、早い時間はあんまりまだ来ないかな。

時間は過ぎ、オープンして2時間以上もお客さんはゼロのままです。

■日付が変わると次々と客が…飲食店関係者が集う「深夜食堂」

すると日付が変わったタイミングでやってきたのは、男性の2人組、本日1組目の客です。この店のすぐ隣の飲食店で働いている従業員でした。

男性客:
隣の店で働いている者です。肝料理専門店なんですけども、深夜0時まで営業しています。

そして、ほぼ同じタイミングで2組目の客、飲食店のスタッフです。

女性客:
向かいにある居酒屋でアルバイトしています。この時間だったらここ。

店主の中野さんによると、日付が変わったことから午前1時ごろが一番忙しい時間帯だといいます。

駅の近くとはいえ、刈谷市で日付が変わってからどんどんお客さんがやってくるのは驚きです。深夜0時半には、開店時の状況がウソのように満席になっていました。

この店にやってくる大半の客の共通点は「飲食店関係で働く人」です。8割以上が「同業者」だといいます。

飲食店で働く女性客:
他のお店がやっていなくて。

一緒にいた男性客:
本当にありがたいです。

一緒にいた別の女性客:
ここぐらいだよね、この時間入れるのって。2時過ぎたらもうないよね。

客は深夜2時をすぎても次々と訪れていましたが、毎晩これが当たり前の光景だといいます。

店の外にも、いつの間にか席が空くのを待つ大勢の人がいました。

飲食店のスタッフが閉店後に来られる時間に合わせて、営業時間は午前3時までです。

深夜めし けんちゃんの店主 中野賢三さん:
みんな「行くところがない」って困っていたから、お店をやり始めたところはあります。

働く人たちのニーズに合わせた、まさに“刈谷の深夜食堂”でした。

2025年1月9日放送

(東海テレビ)

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