福島県の県道で雪崩が発生してから3日目。12日、孤立していた子どもを含む温泉宿の宿泊客ら40人がヘリコプターで救助された。健康面も問題ないという。救助された人が当時の状況を語った。

“気温の上昇による”屋根からの落雪

12日午後4時半ごろの福島・南会津町南郷で視聴者のカメラが捉えたのは、大規模な落雪の瞬間だ。映像には、建物の屋根から、大きな雪のかたまりが次々に落ちる様子が捉えられていた。

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8日ぶりにプラスとなった12日の気温は4.5度まで上昇した。落雪は、屋根の雪が解け出した影響で起きたとみられる。

今、各地で起きているのが、気温の上昇による屋根からの落雪だ。
分厚い雪のかたまりが次々と落ちてくる緊迫の様子を、視聴者のカメラが捉えていた。

落雪への注意が各地で呼びかけられている中、死亡事故も起きている。

11日、長野県や富山県では、屋根からの落雪に巻き込まれるなどして2人が死亡した。

孤立した温泉宿…希望者40人をヘリで救出

10日、近くの県道で相次いで発生した雪崩により5.6kmの区間が通行止めになった。この影響で、3つの温泉宿が孤立状態となり、宿泊客17人を含む、合わせて62人が取り残された。

発生から3日たった12日午前、福島市の野地温泉では、孤立した温泉宿の玄関先には救助を待つ宿泊客たちの姿があった。

12日午前9時半過ぎから、ヘリコプター2機による救助が始まった。12日は希望する40人を救助するも体調不良を訴える人はいなかったという。

救助された希望者40人 中には小さな子どもも…
救助された希望者40人 中には小さな子どもも…

救助された宿泊客たちの中には、小さな子どもを連れた家族の姿も見られた。
埼玉県から夫婦で宿泊していた人は「『雪崩が起きた』というが、その(雪崩の)規模が分からなかった。どのくらい長引くのか全然分からなかった」と当時の様子を話してくれた。

雪の影響で空港で一夜を過ごす人も

一方、11日夜の北海道・新千歳空港には、寝転びながらスマホの画面を見る人や、イスの上で寝る人たちの姿があった。

11日、一時的に雪が強まった影響で、新千歳空港を発着する118便が欠航し、約1650人の利用客が空港内で一夜を過ごした。利用客の一人は「欠航になってしまって、もう振り替えもなくて困っていた。でも仕方ない。今日は我慢して頑張りたい」と話した。

12日午前、新千歳空港の滑走路上では何台もの除雪車が作業を行う
12日午前、新千歳空港の滑走路上では何台もの除雪車が作業を行う

一夜明け、滑走路上では何台もの除雪車が作業を行っていた。

新千歳空港のカウンターでは12日朝、振替便の対応に追われた
新千歳空港のカウンターでは12日朝、振替便の対応に追われた

カウンターでは、振替便の対応が朝から続いた。東京に帰る利用客は、「飛行機取れなかったので、函館まで行って新幹線で帰ろうかなと思っています」と話した。

関東では12日夜「春一番」

一方、12日午後3時過ぎの東京・お台場では、強い風に体を押し戻される人たちが見られた。

12日夜、関東で春一番が吹く可能性があり、すでに帰宅時間帯の公共交通機関に影響が出ている。

JR東日本によると、JR横須賀線の横浜駅と新川崎駅の間で架線にビニールのようなものが引っ掛かっているのが見つかり、一部区間で一時運転を見合わせた。最新の情報に注意が必要だ。
(「イット!」2月12日放送より)

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