野菜の価格高騰が続く中、ようやく値下がりの兆しが見えてきたキャベツ。
ところが今、キャベツの葉が黒くなる「菌核病」が流行し、生産者を悩ませる事態となっている。

高値と病気の「ダブルパンチ」

東京・新宿区にある「アカシア新宿本店」。

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チキンスープでじっくり煮込まれたロールキャベツに自家製のシチューをかければ、店自慢のひと品が完成。

利用客は「ご飯が進みます。おいしいです」「お肉も大きいし、キャベツたっぷりでうれしいです」「このシチューがロールキャベツとあいまっておいしいです」と話していた。

多くのファンが絶品ロールキャベツに舌鼓を打つ一方、店は看板メニューの主役であるキャベツに心配事があるという。

アカシア新宿本店・鈴木康祐店長:
(値段が)高い中で病気になるというのがダブルパンチですね。

「商品になりませんね」農家から悲痛な声

キャベツが病気に!?
一体どういうことなのか、取材班は収穫のピークを迎えている東京・立川市の春キャベツ畑に向かった。

小山農園・小山三佐男さん:
こんな感じですよね。もう菌が入っちゃうのでどんどん黒くなってきちゃう。この時点で成長が止まってしまっているので、腐食してこのまま腐ってしまう。商品にはなりませんね。

葉の色が黒っぽく変色し、枯れているように見えるキャベツ。
原因は、菌類によって葉が腐ってしまう「菌核病」と呼ばれる植物の病気だ。

感染したキャベツの裏を見てみると、茎部分がかなり黒くなって周りも枯れているのが分かります。

キャベツの出来は例年通りだといいますが、この農園では、全体の約2割が菌核病の被害に見舞われているそう。

約2割が被害…要因は大寒波?

背景にあるのは、列島を襲った大寒波ではないかという。

小山農園・小山三佐男さん:
乾燥してて大寒波になったので、土の中の菌のバランスが崩れてしまったことが第一ではないか。

菌核病は現在、全国的にみられ、一度かかったキャベツは出荷できず、廃棄せざるを得ないといいう。

小山農園・小山三佐男さん:
冬にこれだけ出ちゃうのはちょっと異常気象。農家としては難しい季節だなと思って対応に困っております。

先週の卸売価格は1kgあたり182円と手に取りやすくなりつつあるキャベツ。
病気の広がりによる価格への影響が心配されている。
(「イット!」2月10日放送より)