コメの価格が上昇を続けている中、政府は7日、備蓄米をできるだけ早く放出する考えを明らかにした。
流通の円滑化を目的に備蓄米が放出されれば初のケースとなるが、コメの価格高騰に歯止めがかかるのか、専門家に聞いた。
備蓄米放出に江藤農水相「概要は早ければ来週中に」
コメの価格の高止まりが続く中、政府は7日、備蓄米をできるだけ早く放出する考えを明らかにした。

江藤農水相:
入札の実際の概要は、早ければ来週中にはお示ししたい。
2024年夏の“令和の米騒動”以来、コメの価格は上昇を続けている。

コメ5kgのスーパーでの販売価格を見ると、2024年2月は2018円だったが、9月には3114円になった。

その後、新米が出荷され、価格が落ち着くかと思われたが、結局下がらず、1月には3650円にまで上昇した。

こうした中、注目されているのが、災害や不作など緊急時に放出される政府の備蓄米だ。

農林水産省は1月、米の流通が滞っていると判断した場合に放出できるよう運用を見直し、農水相の判断で、備蓄米の売り渡しが可能となっていた。

江藤農水相:
やるからには、もたもたするのは良くない。やると決めたら早くやった方がいいですよ。
農水省は、来週にも入札で売り渡す数量などを示し、その後、JAなど集荷業者を対象に入札を行ったうえで、備蓄米を売り渡す方針だ。
専門家「倉庫にかなりの量の米…売り切るまで価格下げるの難しい」
流通の円滑化を目的に備蓄米が放出されれば、初めてのケースとなる。
これで、コメの価格高騰に歯止めがかかるのだろうか。

専門家は、今より3割から4割安くなる可能性があるとしている。

日本総合研究所チーフスペシャリスト・三輪泰史さん:
(備蓄米放出で)産地でお米を調達する価格が下がり始めているので、だいたい3月下旬ぐらいには、実際に店頭価格が下がったと、いろんな地域で実感できるようになるかな。
そう話す一方で、次のように指摘する。

日本総合研究所チーフスペシャリスト・三輪泰史さん:
やはりまだ今、スーパーマーケットの倉庫にはかなりの量の米が並んでる店もあるので、それをいったん売り切るまでは、なかなか販売価格を下げることは難しい。
高騰するコメの価格の安定につながるのか、注目される。
(「イット!」2月7日放送より)