タクシーのドライバー不足が深刻化する中、宮崎はプロ野球キャンプシーズンに入り、県外からのファンが移動手段に困る事例が増えている。県タクシー協会は「ライドシェア」を導入し、空いているタクシー車両を一般ドライバーが一種免許で運転、乗客を運ぶことが可能となる取り組みを始めた。
タクシーは余っているのに…

宮崎県ではタクシードライバー不足が課題となっている。タクシー会社を訪れると、余っている車両があった。ドライバーが少ないため、車両が活用できない状態になっているという。

県タクシー協会 𠮷野敏博宮崎支部長 (宮児タクシーグループ社長):
県外のお客様から、タクシーが「夕方つかまらない」「予約ができない」などの声がある。我々も一生懸命タクシードライバーを集めている状態だが、どうしても足りない状態が慢性的に続いている。
「宮崎版ライドシェア」でドライバー確保へ
タクシーの車両は余っているけど、ドライバーが足りない…。その課題を解決するために導入するのが「ライドシェア」だ。

「ライドシェア」というと、一般の人が自家用車でタクシーの動きをするというイメージがあるが、宮崎版ライドシェアは少し違っていた。自家用車ではなく、タクシー会社の空いている車両を使う事が特徴だ。

県タクシー協会 𠮷野敏博宮崎支部長 (宮児タクシーグループ社長):
ドライバーよりもタクシー車両の方が多く、動かない状態で残っているので、その車両をうまく使って「宮崎版ライドシェア」を実施する。うちの場合はタクシー会社のマークが大きいので、マークを隠して「みやざきライドシェア」と表示する。屋上灯も取り外す。

こうすることにより、一般ドライバーは二種免許の必要がなく、一種免許で客を送迎することができるという。

宮崎市内のタクシー会社12社が加盟する県タクシー協会宮崎支部は、プロ野球キャンプの期間に合わせて「ライドシェア」のドライバーを募集している。運行は2月11日から、キャンプシーズンが終了する3月2日までの取り組みだ。協会では、この取り組みを、タクシードライバーを増やすきっかけにしたいと話す。
県タクシー協会 𠮷野敏博宮崎支部長 (宮児タクシーグループ社長):
タクシー業界への入り口が広がる。人をお乗せするという仕事に興味を持っていただいたら、ゆくゆくはタクシードライバーとして正式に社員としてドライバーになってもらう事が理想的。
「みやざきライドシェア」の利用方法は?

「みやざきライドシェア」は、プロ野球キャンプシーズンのタクシードライバー不足に対応するためのもの。
・一般のドライバーがタクシー会社の車両を運転
・二種免許がなくても 一種免許で運転可能
・2月11日から宮崎市内で始まり、キャンプを見に来た人が対象

タクシーと違って前日までの予約が必要で、予約の際に乗る場所と行き先を告げて事前に料金を確定させる。乗車後に行き先を変えることはできない。料金は距離に応じた独自の計算法で、タクシーと同程度か1割ほど高くなるという事だ。
タクシーに乗りたいけど乗れない乗客と、車が余っているというタクシー会社がライドシェアの仕組みを使って、Win-Winを目指す。
(テレビ宮崎)