東京・千代田区のクリニックでは、大腸がん検査に「AI(人工知能)内視鏡」が導入され、発見率が7〜10%向上するなど、早期発見に貢献している。
ポリープ切除をした場合、AI内視鏡検査は保険適用になるという。

大腸がんの発生数は悪性腫瘍の中で第1位

2月4日は「ワールドキャンサーデー」で、がんについて考えようという日だ。

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今、国内でもっとも患者の多いがん、大腸がんの検査も技術が進歩している。
「AI内視鏡」は、内視鏡にAIの技術が搭載されたもので、これまでの肉眼での検査より約10%発見率がアップするともいわれている。

小山内鈴奈キャスター:
胃と腸の検査を専門的に行っている東京・千代田区の東京胃腸肛門内視鏡クリニック神田日本橋院で多くの人が受けているのが、大腸がんの検査です。

東京胃腸肛門内視鏡クリニック・望月暁院長:
男性・女性あわせて発生の数は、悪性腫瘍の中で第1位というふうにいわれています。大腸がんの検診率は、だいたい20%ぐらいといわれていますので、大腸がんリスクがあると判定された方のうち、4割は(検査)受けていない。それも課題。

小山内キャスター:
年々、患者や亡くなる人が増えている大腸がん。背景には、食生活の欧米化などがあるといいます。腸内にできたポリープを早めに除去することが重要です。

東京胃腸肛門内視鏡クリニック・望月暁院長:
きょうこれから、内視鏡検査っていうことでよろしいですかね? 

患者:
はい。

小山内キャスター:
60代のこちらの男性は、2024年の10月に受けた健康診断で大腸がんのリスクがあることが分かり、検査を行うことになりました。

東京胃腸肛門内視鏡クリニック・望月暁院長:
今、大腸カメラをお尻から入れて直腸からカメラを奥まで進めていきます。

小山内キャスター:
まずは、内視鏡カメラを奥まで入れていきます。

東京胃腸肛門内視鏡クリニック・望月暁院長:
今大腸の一番奥までたどり着いたので、ここから戻りながら腸の中をチェックしていきます。ここから、AI内視鏡の機能をONにして一緒に見ていきます。

小山内キャスター:
先生の話の中に出てきた「AI内視鏡」。これが大腸がん検査の最先端の技術なんです。モニターを見ていると、「ピピピ」と警告音とともに画面が黄色くなります。そして、四角の枠の中にあるのが、がんになる可能性があるポリープと呼ばれる隆起物です。AIがポリープを発見した瞬間です。  

このAI内視鏡は、先生の肉眼に加えて、AIが数mmのポリープを見つけ出すもので、数年前に実用化された最新の検査方法です。

東京胃腸肛門内視鏡クリニック・望月暁院長:
ドクターのみでの検出率よりも、効果として7~10%くらいの検出率の向上が期待されるのではないかといわれている。

AI内視鏡で検査した患者
AI内視鏡で検査した患者

東京胃腸肛門内視鏡クリニック・望月暁院長:
今、ポリープもう1個ありますね。

小山内キャスター:
見つけたポリープは輪っか状の器具で取り除いていきます。

記者:
ーー痛さありますか?

患者:
全然ないですよ。痛みはまったくないです

小山内キャスター:
検査と処置は20分程度で終了。4つのポリープを取り除きました。

東京胃腸肛門内視鏡クリニック・望月暁院長:
ポリープ結構ありました。放っておくと育って、がん化する可能性がありますので、今回やってよかったと、そういう結果になりますよね。

患者:
特に傷みもなかったので、思ったほど負担がなく楽でした。

2024年から保険適用…検査費用の負担軽減

小山内キャスター:
青井さん、40歳からは大腸の内視鏡検査を受けたほうが良いとのことです。

青井実キャスター:   
ーー私も3回ぐらい受けましたけれど、岩田さん、どうですか?

スペシャルキャスター・岩田明子さん:
私は、2017年に悪性が見つかったんですけど、その後も半年おきに内視鏡入れてるんですけど、悪性見つかるまでは一切検査やってなかったんですよ。でも、たまたま超早期発見でしたから良かったと思います。

青井キャスター:
ーー前の日からの準備が大変だから、つい行かなくてもいいかなと思っちゃうんですけど、早目にチェックすることが大事ですね。

スペシャルキャスター・岩田明子さん:
やっぱり40歳を超えたら行った方がいいと思いました。

小山内キャスター:
AI内視鏡検査の価格ですが、ポリープ切除をした場合について、2024年から保険適用になったそうで、今回取材させていただいた男性の場合、3割負担で3万円程度だそうです。まだ導入されているクリニックは少ないそうですが、今後もっと普及するのではないかとのことです。

小山内キャスター:
さらに気になるのは、ポリープが悪性か良性かということですが、こちらについても、現在AI診断の開発が進んでいるそうです。AIの力による早期発見・処置ができるようになる役割が高まるかもということです。

宮司愛海キャスター:
健康の分野にまでAIの力が及んでいると思いませんでしたけど、あくまで先生の目視に加えて、AIで判断していくってことで、安心度がますます高まりますね。

青井キャスター:
事前の準備が大変なだけに、やっぱりちゃんと見つけていただきたいですね。

宮司キャスター:
何度も、なかなかできるものじゃないのですよね。

木村拓也キャスター:
こういうのがあると知ったからこそ、ちゃんと検診率を上げるとか、自分で行かないといけないですね。

発見率が7〜10%向上するという「AI内視鏡」、40歳を超えたら検診が大切だ。
(「イット!」2月4日放送より)

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