「はだか祭」といえば、2025年は2月10日に行われる、愛知県稲沢市の「国府宮(こうのみや)神社が有名ですが、岐阜県大垣市の「宝光院(ほうこういん)」にもあり、70年以上続いています。

■国府宮神社のはだか祭は本番に向け「餅つき」

稲沢市の「国府宮神社」では10日の「はだか祭」を前に4日、神社に奉納される大鏡餅の餅つきが行われました。

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2025年の神男(しんおとこ)、加藤稜大さん(26)も駆けつけ、五穀豊穣などを願いながら杵を振るいました。

下帯姿の男たち数千人が厄を落とそうと、神男めがけて激しくもみ合う“天下の奇祭”国府宮神社の「はだか祭」は、伝統的行事として高い知名度があります。

■70年以上続く岐阜の「はだか祭」

しかし、岐阜でも毎年行われている「はだか祭」があります。大垣市の宝光院は、商売繁盛や家内安全を祈る「ひだりめ不動尊」が祀られています。

この寺では70年以上前から、節分に「はだか祭」が行われています。

宝光院の鈴木孝慈住職:
罪人の方が、川でみそぎをしたんじゃないかというようなことが、私どもは起源だと考えております。

宝光院の「はだか祭」は、およそ100人の裸男たちが、近くを流れる杭瀬(くいせ)川に入って身を清める神事で、2025年は2月2日に行われました。

参加者A:
最高でした。清まりました。

参加者B:
ええことある気がします。

当日の飛び入り参加もでき、参加者は全国から集まります。

本堂では清酒を頭からかけられ、男性が身体を清めていました。厄を一手に請け負う“心男(しんおとこ)”に選ばれた、池田町出身の八田宗大さん(23)です。

心男の八田宗大さん:
めったにないことなので、すごく光栄です。頑張ります!それに尽きます。

杭瀬川でみそぎを終えた裸男たちは、心男に触れることで厄を落とすことが出来ます。

厄をすべて受け止める心男は、ひだりめ不動尊の力で守られるとされます。

心男の八田宗大さん:
今まで心男をやっていた方々から「とりあえず体を固めて」と散々言われてきたので、あとは「自分が厄を受け取るんだ」という気持ち、この2つのことだけを考えて。(厄を)一つも取り逃さないように、しっかりとガッシリつかんで。

■クライマックスは剣の奪い合い

祭のクライマックスは、俵の中に入った、ひだりめ不動尊の剣を模した利剣木(りけんぼく)を奪い合う「福徳利剣木授与」です。

利剣木を手にした裸男は、1年間の福が得られる“福男”となります。俵を中心に裸男たちがもみ合うこと3分、利剣木は大垣市に住む寺本佳津明さん(59)が手にしました。

福男の寺本佳津明さん:
今年60歳で厄なんです。この行事にはもう二十数年参加していて、初めてです。やっぱり自分だけじゃなくてみんなに幸せを与えたいですね。

鈴木孝慈住職:
1回参加するだけじゃなくて、続けて出ていきたいという気持ちを持っていただける何かが(この祭には)あるんでしょうね。

大垣市でも続く伝統の「はだか祭」は、地域の祭りとして、これからも長く受け継がれていきます。

(東海テレビ)

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