兵庫・宝塚市に約254億円という巨額な寄付が寄せられた。驚愕の大金を寄付したのは、市内に住む元会社役員、岡本光一さん(77)と明美さん(75)夫妻。現地を緊急取材すると、寄付の背景に“大震災ボランティア”の存在があった。
「あまりの金額に担当者が緊張し過ぎています」
兵庫・宝塚市民:
あまりにも(金額が)大きすぎて、ちょっとピンと来ませんけれども。“奇特な方”がおられるなと思います。

寄付金の内訳は、「市民病院の建て替え費用」として250億円。残りの約4億円は、光一さんから「手術支援ロボットの購入費用」として寄附されたという。
市の担当者の“慌てふためきぶり”は、SNSへの投稿からも伝わってくる。

兵庫・宝塚市の公式SNS
「再三の投稿修正で申し訳ありません。あまりの金額に担当者が緊張し過ぎています」
イット!は4日、この254億円もの“巨額すぎる寄付”を受けた宝塚市立病院を取材した。

記者リポート:
病院の裏側なんですが、少し汚れが目立ちますね。
築40年以上が経ち、建物はたしかに老朽化している。
それでも、300床以上ある地域の拠点病院として、市民の命を守っている。
寄付をした岡本光一さん(77)「阪神・淡路大震災の時に…」
今回の“超巨額寄付”を病院側はどう受け止めているのか。

宝塚市立病院 岡田敏弘病院長:
配管のところが、40年経って来ますとなかなか厳しくなってきて(修理すべき)。
うれしさというよりも、「え、信じられない」っていう…この254億に重責といいますか。
驚きの声は病院を利用したことがある人からも聞かれた。
兵庫・宝塚市民:
すごい人がいるなと。もう(病院が建って)40か50年ぐらいだしね。
一方で、こんな声も。
兵庫・宝塚市民:
“寄付で成り立ってしまう”のは、逆にちょっと怖いところはあるかなと。
想像のはるか上を行く寄付をした岡本さんご夫婦の“人物像”は、寄付に当たっての言葉に表れていた。

寄付をした岡本光一さん(77):
阪神・淡路大震災の時に、私たちはボランティアを初めて経験しました。財団を設立し、相談にのっていただいたのが宝塚市さんでした。
宝塚市民のためになるのであればとの思いで、今回、宝塚市立病院建替え費用のための寄附をする事となりました。
夫の光一さん(77)は元々、電子関係の技術職で、阪神・淡路大震災をきっかけにボランティアを始め、公益財団を設立した。
「5年以内に新病院の設計に着手する」など条件に
それにしても、254億円ものお金をなぜ用意することができたのか?
市の担当者に聞いたところ、「我々も詳細は分からないんです…」とのこと。

今回の寄付に当たっては、市が「基金」を設置し、「5年以内に新病院の設計に着手する」などの条件が盛り込まれている。
(「イット!」2月4日放送より)