冬の味覚みかんですが、これまでにないほど価格が高騰している。背景に“あの嫌われもの”の存在も…。
■【動画で見る】去年より約3割値上がり「みかん」高騰 天候の他に「カメムシ」で被害拡大
「安いみかんが、みっかんない!」本当にそんな事態が起きているのか。大阪市内のスーパーを取材すると、国産みかんが6個入りで537円(税込み)と確かに高かった。

フレッシュマーケットアオイ 内田寿仁社長:みかんはすごく値段も上がっていますし、もうモノがないですね。だいたい5割ぐらいは高いんじゃないかと思います。
客:だいぶ上がっていて、手を出しにくい。
客:いつもよりは高いかなと思います。
■今年のみかんは去年より約3割値上がり
去年1月のみかんの全国平均小売価格は1キロあたり719円だったが、ことしは969円に。およそ3割も値上がりしているのだ。(※農林水産省調べ)

フレッシュマーケットアオイ 内田寿仁社長:ことしほど高いのはなかなか経験がないですね。いよかん、ぽんかん、でこぽんがこれから出回ってくるんですけど、その柑橘類についても収穫量が少ないようで、値段は高く推移しています。

1972年、全国でみかんが大豊作だった年の学校給食の風景では、みかんは1人2つ。そんな時代もあったようだ。
■天候やカメムシの影響でみかんの収穫量減少
ことしは、なぜ収穫量が減少しているのか。収穫量全国1位を誇る和歌山県のみかん農園を取材した。

北文園 北東宏文さん:私の園地については、(収穫量が)去年に比べて1割ぐらい少ない。収量が全国的に少なかった。天候や虫の要因もあります。
■被害拡大させた「カメムシ」
猛暑や収穫前の秋の時期に雨が長く続いたことなどから収穫量が減ったというますが、さらに被害を拡大させたのが「カメムシ」だ。

去年7月に撮影された写真では、みかんにくっつくカメムシの姿があった。
(Q.くっついて離れない?)
北文園 北東宏文さん:こいつは離れなかったです。カメムシが中の果汁を吸う。吸うとその果実は黄色く変色して落下してしまう。
7月上旬にカメムシが大量発生し、薬をまいて駆除はしたが、対策はなかなか難しいという。
北文園 北東宏文さん:根本的に薬をまいてカメムシを忌避させる方法はないみたいです。みかん農家としてもここまでの価格高騰は望んでいないです。子供でもお年寄りでも食べやすいのがみかんの特徴なので、適正な価格でとどまってほしいというのが正直なところですね。
(関西テレビ「newsランナー」2025年1月30日放送)