賞金総額3億円以上。
「eスポーツ」の世界大会が札幌市豊平区の大和ハウスプレミストドームで開幕した。
5日間で3万人の集客が見込まれている。
赤字を抱えるドームの起爆剤となるのだろうか。
賞金総額は200万ドル=3億円以上
アジア初となる「eスポーツ」の国際大会。

人気オンラインゲーム「Apex Legends」の世界一を決める大会だ。
3人1組で戦うシューティングゲームで、世界5つの地域から勝ち抜いた40チーム120人の選手が5日間にわたり対戦する。

アメリカ、イギリスに続き4度目の開催で、賞金総額は200万ドル、日本円で3億円以上となる。
「会場のボルテージがどんどん高まっているのを、すごく感じる」(東京から来た人)

「平日の朝早くに、こんなに観客が来た。みんな注目していると感じる」(埼玉県から来た人)
「すごいし、かっこいい。珍しい体験だと思う」(札幌市民)
「すごく今ドキドキして見ている。日本チーム、がんばれ」(札幌市民)
延べ3万人の集客が見込まれ、30日以降のチケットはほぼ完売している。

「eスポーツ」とは「エレクトロニック・スポーツ」の略で、コンピューターゲームなどを使った対戦競技のことだ。

「eスポーツ」の国内市場規模は2022年に125億円に到達し、2025年には210億円を超えると予測されている。

世界で1億3000万人といわれる競技人口をターゲットにしたホテルも登場している。
「こちらが、ゲーミングPCルームです」(VILLA KOSHIDO 太田槙人 総支配人)
宿泊者が24時間無料でゲームができるハイスペックパソコンがずらりと並ぶ。

実際のレースさながらに、レーシングゲームのマシンを運転できる専用ルームもある。
「快適な“寝落ち”をしてもらえるよう、有料でベッドもそろえている。定員が最大14人の部屋もある。合宿のような使い方をする客もいる。前年同時期の客室稼働率は6~7割だったが、今年は連日満室になっている」(太田総支配人)
かつて札幌市ではゲームソフト開発会社「ハドソン」が創業し、1980年代半ばのファミコンブームで全国的に有名となった。
2022年にはゲーム開発大手の「セガ」が札幌市に開発拠点を設立。

eスポーツの聖地 記念すべきスタート
札幌市によると、市内のゲーム関連会社は70社以上に及び、東京と大阪に次ぐ規模だという。「ゲームの街」ともいえる状況に、秋元克広札幌市長はこう語る。

「札幌が“eスポーツの聖地”と言われるような記念すべきスタートが訪れたとうれしく思っている」(札幌市 秋元克広市長)
大規模イベントの開催という、ドームにとっては久々の明るい話題。
「eスポーツ」の地元関係者も期待を寄せる。
「大和ハウスプレミストドームにとってエポックメーキング。今後にもつながる、とてもいいチャンスだと思う」(北海道eスポーツ協会 本間欽也 専務理事)
果たして「eスポーツ」は札幌市に根付くのだろうか。

そして、今回の世界大会の開催は、6億5000万円余りの赤字を抱えるドームに新たな可能性をもたらすのだろうか。