長野市のJR長野駅前で男女3人が襲われた殺傷事件で、亡くなった男性の家族が現場近くに感謝のメッセージを掲示した。一方、逮捕された46歳の男は黙秘を続けており、警察は動機の解明を進めている。容疑者は犯行後、徒歩で帰宅していたとみられ、自宅からは大量の焼酎の空き箱などが押収された。事件発生から2日後には容疑者が捜査線上に浮上し、防犯カメラの映像を辿る「リレー捜査」や市民からの情報提供が役立ったという。
「本人も安らかに旅立つことが」
亡くなった男性の家族は、1月26日夜まで現場近くに献花台が置かれていた場所に次のような感謝のメッセージを掲示した。
献花をしてくださる皆様へ
献花・供物等を頂き、大変ありがとうございます。
故人に代わり、心より感謝申し上げます。
皆様からの大きな温かなお気持ちを頂き、本人も安らかに旅立つことができることと思います。
また私たち残された家族も、大勢の方の励ましやお力添えを頂き、故人の分まで精一杯生きていく大きな勇気を頂きました。本当にありがとうございました。
そして、良きご縁に出逢い、短くも一瞬一瞬を大切に生きた故人のことを、どこかでふと思い出していただければ幸いです。

なお、JR東日本長野支社は、遺族の意向により、多くの人が訪れていた献花台を1月27日午前0時に撤去した。
容疑者は黙秘を継続
女性に対する殺人未遂の疑いで逮捕されたのは、長野市西尾張部の無職・矢口雄資容疑者46歳。
逮捕から1日が経ち、午前11時前に捜査本部が置かれた長野中央警察署から長野地検に身柄が送られた。

1月22日午後8時頃、長野駅前で男女3人が刃物で次々に襲われ、いずれも長野市に住む会社員の49歳の男性が死亡、37歳の男性が重傷、46歳の女性が軽傷を負った。
3人とも容疑者とは面識が無かったとみられている。
徒歩で帰宅か、大量の焼酎空き箱
容疑者の自宅は駅から3キロほど東にある集合住宅の一室で、捜査関係者によると、犯行後、駅前から駅西側の線路沿いの道へ逃走した後、方向を変え駅の反対側の自宅まで徒歩で帰ったとみられる。

容疑者は1人暮らしとみられ、自宅からは大量の焼酎の空き箱などが押収された。
調べに対し黙秘を続けているということで、警察は犯行の動機など全容解明を進めている。
(長野放送)