タレントの中居正広氏と女性とのトラブルをめぐる一連の問題で、フジ・メディア・ホールディングス(フジテレビの親会社)は、23日に臨時の取締役会を開催。
27日(月)に動画撮影可能で参加者を限定しないオープンな形式で記者会見を行うと発表。調査のための第三者委員会設置や今後の対策などを説明するということだ。
24日放送の関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」で、ノンフィクションライターの石戸諭さんは、次の会見について、「『フジテレビが変わろうとしている』と見せられないと再び失敗しかねない」と見解を述べた。
また元毎日放送アナウンサーの豊崎由里絵さんは、テレビ局でアナウンサーとして勤務していた経験をふまえ、「どのテレビ局にもルール作りをしっかりしてほしい」と話した。
■『フジテレビが変わろうとしているんだ』と見せられないと…
23日、フジテレビでは社内向けの説明会が開かれ、港社長が「17日の会見は失敗だった」と話した。

ノンフィクションライター 石戸諭さん:実は社内からも突き上げの声が上がっていて、取材をした範囲で“フジテレビの関係者によると”ということになりますが、まず社員の中で労働組合への加入が非常に増えて、80人から500人になりました。
ノンフィクションライター 石戸諭さん:それだけではなく、23日時点で『8点の要望書』というのが上がっていて、その中でも一番重要だったのは、まず『記者会見を27日までにもう1回オープンな形で開くべし』というのが上がっているんです。社内つまり社員の要求に対して、経営陣がのんだということがいえるわけです。
ノンフィクションライター 石戸諭さん:8点の要求の中でもう一つ重要なポイントが、会見の中身についても言及があって、特に大きいのは経営陣の刷新です。経営体制の見直しも焦点にしてほしいと。どういう形で経営陣を選出するのかというところも、可能な限り改善が必要なんじゃないかと求めているんです。つまり今までのフジテレビの経営陣を決めてきたのは、事実上、実権を握ってきたとされるのは現フジテレビ取締役相談役の日枝久さんです。日枝相談役が決めるやり方を改めてほしいと。港社長及び嘉納会長に関しても責任をちゃんと取ってほしいというところが主眼にあります。

ノンフィクションライター 石戸諭さん:1月27日の会見の焦点はオープンかどうかもさることながら、それ以上に社員が求めている経営陣の刷新、あるいは経営陣選出の見直しというところに踏み込めるかどうかなんです。この内容が、スポンサーも含めて、『フジテレビが変わろうとしているんだ』と見せられないと、再び会見で失敗しかねないということです。昨日はフジテレビの会長・社長が4時間半、社内説明に応じましたが、それ以上に次の会見で社内外に向けてどういう発信ができるか問われてきますね。
■『カメラなしの会見で報道機関として自殺』という声も
関西テレビの神崎博報道デスクは、社員集会の出席者に取材した話として、「カメラなしの記者会見で報道機関として自殺した」という声が上がったと述べた。

関西テレビ 神崎博報道デスク:社員集会の出席者に取材したのですが、社員からの発言として、言葉が悪いかもしれませんが『カメラで会見しなかったことで、報道機関として自殺した』と。不祥事があったときに我々メディアは、必ず『会見を開いてください』『カメラの前で説明責任を果たしてください』と言ってきたのに、自分がしなかったらもう相手に言えないし、これまで応じてくれた相手に申し訳ない気持ちがあるということです。
関西テレビ 神崎博報道デスク:あとキャスティングに関して、レギュラー番組はまだしも、特番でも中居氏をキャスティングしてきた。トラブルについて、もっと早く教えてもらって、止めてほしかったという意見が出ていました。
関西テレビ 神崎博報道デスク:経営陣の話ですが、社員集会で港社長などの経営陣に対して“即時退陣”を求める声も社員からありました。それに対して経営側の答えはなかった。あとやはり日枝氏に対して言及があって、出席した社員によると、これまでフジテレビの中で日枝氏に対して、こういう場所で声高に批判する声は聞いたことがなく、このような声が出たのは初めてのことだという話を聞きました。
■「常に気を使ってくれる人がいたから平和に過ごせた」と元アナウンサー
また毎日放送のアナウンサーだった豊崎由里絵さんは、「女性アナウンサーと食事などの接待の場」について、「上司たちが守ってくれた」と話した。

豊崎由里絵さん:私は毎日放送でアナウンサーになった時、当時の上司から明確に、『アナウンサーは接待には行きません』と言われました。営業の方はもちろん女性でも接待という食事やゴルフに行くことはありますけれど、それはお金を稼ぐ部署だからということで、『アナウンサーはアナウンサーの業務があるわけですから、そこは切り離します』という話がありました。
豊崎由里絵さん:あと『“女子アナ”ではありません。あなたたちは“女性アナウンサー”です』という話もされました。今の状況を私は知りませんが、少なくとも当時はそういう説明をされたんです。やっぱり守ってくれる環境があったわけです。その部長は『もし何か断れないことがあったら、上司さんから怒られるんで行けないとか、上司に2人以上で行けと言われていると、“上司のせい”にして断ったらいいというふうにも言ってくれた。
豊崎由里絵さん:他の先輩だったり、ハイヒールモモコさんもよく食事に誘ってくださるんですが、いつもおっしゃってくれたのは、『もし誰かに電話番号を聞かれたら、モモコさん通してやと言えばいい』と言ってくれるんです。常に気を使ってくれる人がいたから、平和に過ごせたなという思いがあるんです。

豊崎由里絵さん:きっと第三者委員会の調査に注目が集まると思うんですけど、いま調査をされて、自分に起きたことを正直に話せるタイミングかというと、仮に被害に遭った女性が他にいるとして、とても言いにくいと思うんです。第三者委員会の調査の結果、『他にも該当事案がありました』と出た場合に、じゃあそれが誰だったんだと、SNSなどで詮索が始まってしまうことは容易に予測がつく。
豊崎由里絵さん:でも、もし言わないとしたら、『調査の結果何もありませんでした』ということで潔白が証明されたことなって進んでいくことも嫌です。私が一番重きを置いてほしいのは、調査の結果がクロであれシロであれ、この先のルール作りを、しっかりどのテレビ局にもしてほしいというふうに思います。例えば『飲み会に1人で行かない』とか。
■フジテレビ経営陣はどういう責任を取るのか
青木源太キャスター:企業文化みたいなものは、積み重ねてきたものですから、それを変えるというのは本当に大変なことだと思います。

青木源太キャスター:私は経営陣の仕事というのは、『決断をすること』と『責任を取ること』だと思うんです。普段であれば経営方針というのを決断して、執行役員、部長、従業員の人が実行していく。その結果の責任を経営陣が取るということだと思うんです。そのために高い報酬をもらっているんだと理解しています。
青木源太キャスター:今回の件で言えば、番組の継続も、会見の形式も決断があって、そしてこの結果を招いているわけですから、どういう責任を取るのか。それは27日、月曜日の会見で聞けることを期待したいと思います。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年1月24日放送)