2025年2月に開幕する明治安田サッカーJ2リーグで、愛媛FCとプロ契約を結んだ高校生がいる。
愛媛から世界を目指す若き17歳Jリーガーの挑戦を追った。
クラブ史上初めて 17歳のJリーガー
兵庫県出身の島佑成選手は、高校1年だった2024年1月、愛媛FCと提携を結んでいる聖カタリナ学園高校に転校。同年にJ1・ヴィッセル神戸の下部組織でプレーし、その後、2024年1月に愛媛FCのU-18に移籍した。

なぜ愛媛に来ようと思ったか問うと、島選手は「練習に参加して、チームメイトたちが気軽に話しかけてくれているのを感じて、ここ行ったら自分も楽しく成長できるし、楽しくサッカーができると思ったのが一番」と答えた。

2024年11月には、17歳以下の日本代表としてクロアチア遠征にも参加。すでに世代別日本代表の経験も豊富で、将来が期待される若きプレーヤーとして注目を集めている。

島選手自身も「この愛媛FCという素晴らしい歴史あるクラブとプロ契約できたことをとてもうれしく思います」と、喜びと決意を語った。プロ契約決まった瞬間は「うれしいよりはここからちゃんとやらないといけない」という気持ちの方が強かったそうだ。
愛媛FCが高校在学中の選手とプロ契約を結ぶのはクラブ史上初めてだ。
トップレベルでも通用する1対1の強さ
身長175cm、U-18では守備の要であるセンターバックのポジションを担う島選手の最大の持ち味は1対1の体の強さ。さらに足の速さを活かした攻撃参加も魅力だ。

愛媛FCU-18の北内耕成監督は、「ヴィッセル神戸(ユース)にいた選手なんで、スピードだけじゃなくて、相手との駆け引きで、『ここが空いてて』そのタイミングよく入っていける、普通の人と違ったリズム感を持っての攻撃がすごく特徴。トップチームのレベルでも通用するんじゃないかな」と、その将来性を高く評価している。
文武両道 学びへの情熱
島選手の魅力は、サッカーだけにとどまらない。得意科目の一つは英語で日常会話もできるレベルだ。

海外遠征などをきっかけに、彼は語学を猛勉強し、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語にも触れ、勉強もサッカーに生かせると日々の授業にも真剣に取り組んでいる。
「文武両道は意識して、JリーグMVPの武藤嘉紀選手とかは慶応出て、勉強もできるサッカー選手で、サッカー脳も鍛えられると思うので、勉強も活かしながら賢いサッカー選手になれたら」と学びの姿勢が伺える。

島選手は自身のことを「笑顔があふれるといえば島みたいな。ほぼ笑顔でいることが多いんで、やっぱ愛されキャラみたいなのがいいですね」と自負し、明るさと人間性で周囲を魅了する選手だ。

クラスメイトたちは、「単独行動できる人」「クラスの中で一番人気者」「コミュニケーション能力高い」と、島選手を評する。彼の人間性と才能は、サッカー場だけでなく、学校生活においても際立っている。
世界への大志 愛媛から世界へ
現在、高校生年代のチームに在籍しながらJデビューを目指す今シーズンは、左利きを武器に、積極的な攻撃参加とゴール前へのパスも任される左サイドバックで勝負したいとイメージを膨らませている。

「プロになるにつれて、相手のレベルも上がっていくんですけど、自分の長所である「1対1で負けない」という所は当たり前にしたいし、トップにいるだけじゃ意味ないと思うんで、しっかり実力で選んでもらえるように、最終的にはスタメンで出られるようになりたい」と島選手は決意を語る。
「挑戦しないことは意味ないと思うんで、何事もやりたいという気持ちで、ずっとその思いは変わらずやってきました」、「為せば成る為さねば成らぬ何事も」の言葉を胸に、島選手の目標は明確だ。

島佑成選手:
愛媛から世界へっていうのが。もっと世界で活躍して、(ヨーロッパの)チャンピオンズリーグ獲るところが自分の目標なので、それを達成したい。
愛媛から世界も見据える17歳。可能性を秘めた高校生Jリーガーの挑戦が始まる。
(テレビ愛媛)