京都大学が世界初の発見だ。
「チンパンジー」は仲間のおしっこにつられる「つられション」をするという研究結果が明らかになった。
「京都大学野生動物研究センター」の大西絵奈さんらの研究グループは、チンパンジー20頭を604時間観察した結果、1頭が排尿をすると他の個体も続けて排尿する、伝染現象があると明らかにした。
■【動画で見る】チンパンジーは「つられション」する 世界初の発見 人間の「つれション」とは違う現象
■近い距離にいると、つられて排尿しやすい
研究施設では右端に座った1頭が排尿すると、すぐそばにいた1頭も排尿し始めた。
これが世界初の発見、チンパンジーの「つられション」だ。

「つられション」はチンパンジー同士が3メートル以上離れているときよりも、片腕ほどの近い距離にいるときの方が、2倍近くつられて排尿しやすいことが分かったということだ。
また、集団内の順位が低いチンパンジーほど、つられて排尿する傾向があることも分かった。
■本当に「つられション」するのか?
チンパンジーは本当に「つられション」しているのか?京都市動物園のチンパンジー6頭の前に記者が張り込むこと4時間…。

2頭の兄弟を観察していると、まず兄がおしっこをした。

すると近寄ってきた弟が「つられション」をしたとみられる瞬間をカメラがとらえた。
■人の「つれション」とチンパンジーの「つられション」は同じではない
【京都大学 野生動物研究センター 大西絵奈さん】「私が本研究の中で一番大きな学びだったなと実感しているのは、何気ない行動の中に、複雑な社会進化の鍵が隠されている可能性があるということです」

この結果は今後、あくびなど他の伝染現象のメカニズムの解明にもつながる可能性があるということだ。
なお、人間の「つれション」は仲の良さや絆の現れといった側面があるが、チンパンジーの「つられション」には仲の良さは関係がなく、「おしっこがうつる」という伝染現象であって、この2つには進化的なつながりがあるかもしれないけれども、同じ現象とはいえないということだ。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年1月21日放送)