全国各地のお菓子を集めた祭典「全国菓子大博覧会」というイベントが、5月に北海道旭川市で開かれる。
北海道では約60年ぶりの開催に向け、関係者の期待が高まっている。
ご当地アイドル「ローワンベリー」がアンバサダーに

華やかな衣装に身を包み歌を披露するのは、旭川市を拠点に活動するご当地アイドル「ローワンベリー」だ。
1月19日、このグループが任命されたのは…。
5月30日から旭川市で行われる全国菓子大博覧会、通称「菓子博」のアンバサダーである。
1911年に東京で始まった「菓子博」

1911年に東京で始まった菓子博は、業界の活性化と職人の技術の伝承を目的に、おおむね4年に1度、全国各地で開催されてきた。
北海道では1968年に札幌市の大通公園で開かれた。
前回は2017年に三重県伊勢市で開催し、約58万人が来場した。
コロナ禍を経て、北海道では57年ぶり2回目の開催が旭川市で実現することになった。
全国各地の1000種類以上が集まる予定

28回目のイベントには、全国各地の1000種類以上のお菓子が集まる予定だ。
「北海道はお菓子の原材料の宝庫と言われておりますので、菓子博で北海道の原材料とお菓子を結びつける流れを作り上げていきたい」(あさひかわ菓子博2025 水上崇 実行委員長)
早くも地元では準備が進んでいる。
エチュード洋菓子店の「お昼ねプリン」

菓子博で2008年から毎回受賞している旭川市の「エチュード洋菓子店」は、看板スイーツ「お昼ねプリン」を出品予定。
卵も牛乳も北海道産にこだわったプリンは、2006年にはプリンの全国大会で1位になったこともあり、多い時で1日100個売れるほどの大人気商品だという。
「非常になめらかな舌触りで、濃厚な牛乳や卵の味わいがしっかりと感じられます」(古沢哲也記者)
「お菓子に携わる仕事をしている中で、菓子博が地元で開催されるのは、ものすごくうれしいこと。頑張って盛り上げていきたい」(エチュード洋菓子店 松苗秀和社長)
旭川を代表する壺屋総本店の「き花」

さらに旭川を代表するといえば、壺屋総本店が旭川の冬の景色をイメージした焼き菓子「き花」を出品予定だ。
ザクザクとした食感のガレットでチョコレートを挟んで焼き、外国にもファンが多い人気商品だ。
「食べてすぐにアーモンドの風味や香ばしさが伝わってきますので、そこが一番の売り」(き花の杜工場 上田智久 副工場長)
菓子博の公式キャラクター「シマエ大福」

ところで、菓子博の公式キャラクターは野鳥シマエナガをイメージした「シマエ大福」だ。
かわいらしいこのキャラクターとのコラボ商品も続々登場している。
「シマエ大福まんじゅう」は一時生産が追いつかなくなったほど

壺屋総本店が2024年10月から販売を始めた「シマエ大福まんじゅう」だ。
北海道産の小豆をもちもちの牛皮で包んだ大福を、もちもちのまんじゅう生地で包んだ新商品。
新しい食感と見た目のかわいさもあり、一時生産が追いつかなくなるほどで早速人気となっている。
「ぽぬぐるシマエナガ」は菓子博に出品予定

また旭川に本店を構え、2024年に創業100周年を迎えた「もち処一久大福堂」でも準備を進めている。
北海道産の生乳を使ったバターあんをホワイトチョコレートで包み、かわいらしいシルエットの人気商品「ぽぬぐるシマエナガ」は菓子博に出品予定だ。これに加え、コラボ商品を開発した。
「もちの生地も白で、中のあんも白、『白い』ものにこだわって作っています」(もち処一久大福堂 河原道さん)
希少な白小豆を使ったあんの「シマエ大福」

ふわっとやわらかな生地と、栽培の難しい北海道産の希少な白小豆を使ったあんで、「シマエ大福」も開発した。
すっきりとした甘さに仕上げ、菓子博での話題性も狙う。
「お客様においしいと言っていただける商品を作ることが第一優先。それが結果的に“金賞”などになるとなおうれしい」(もち処一久大福堂 河原道さん)
旭川市民の期待も高まる

菓子博に向けて準備が進む旭川。期待が高まっている。
「いろいろな所のお菓子が食べられるのがすごい楽しみ。甘いものが好きだから」
「楽しみだ。全国のお菓子を食べて、その場所に行く機会がないかもしれないので行ってみたい」(いずれも旭川市民)
「お菓子は人を笑顔にする、幸せにするものだと思っていますので、お菓子を通じてこの街や地域を笑顔であふれるものにしたい」(あさひかわ菓子博2025 水上崇 実行委員長)
旭川市の大雪アリーナを中心に開催されるお菓子の祭典「あさひかわ菓子博2025」。開幕まであと125日だ。