日常的な勉強について実施した調査では、社会人の過半数が「時々している」と回答し、主な目的は趣味や教養、仕事、資格取得であることが分かった。専門家は、自ら学ぶ人ほど“主観的な幸福度が高い”という調査結果があり、その大きな理由は「自己効力感が養われるため」だと指摘する。

趣味から仕事まで多彩な社会人の勉強意識

新年を迎え、新たに勉強を始めた方も多いのではだろうか。

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不動産仲介などを行う企業が、社会人500人を対象に勉強について調査した。(調査対象:10代〜70代の社会人500人、調査期間:2024年10月13日〜20日)

「日常的に勉強していますか?」という質問には、過半数が「時々している」、約4人に1人は「全くしていない」と答えている。

勉強の目的は「趣味・教養のため」が109人でトップで、以下「仕事で必要な知識のため」が98人、「資格取得のため」が77人と続いている。

どんな勉強をしているかについては「英語・語学」が111人と多く、「資格」が108人、ライティング・文章力が34人となっている。

「勉強」について、働く人のホンネを聞いてみた。

IT関係(40代):
資格の勉強は仕事の関係でしたりしている。中小企業診断士、去年ダメだったから今年も受けようと。最近サボり気味なんですが、頑張ります。
前の受験からしばらく何カ月か経っているのでそろそろ復活しようかと思っていたところ。
仕事でそういった関係があるので、そちらに活かせられるかなと。
将来的にも定年後にやってみたい話にも繋がるかなと思っているのでそういった思いでやっています。

IT関係(30代):
したいけど仕事が忙しくて、なかなかできていない。最近は、園芸療法の資格を取りたいと思い始めた。趣味と仕事…結びつく接点というか作りたかった。仕事が慣れて落ち着いたら、もうちょっと時間を作りたい。

メーカー(30代):
できる時にやっている。知財系の資格を取りたくて。でも週に3日とかできるときに1時間2時間くらいなんで、そんなに熱心にはしていない。社会人になって余計やらされる勉強じゃないので、比較的楽しいかなと思う。
とりあえず今いる会社で、そういうの扱っている部署に移って、そこでキャリア作っていけたらなと。
ゆくゆくはどの会社にもある部署なので、もうちょっと給料良いところに行けたりとかもあるのかなと。

情報通信(30代):
仕事の関係で証券系の勉強をしている。IR担当という会社の業績を伝える仕事をしているので、財務とか経理とかがわかりやすく投資家の方に伝わるように、証券アナリストの勉強とかをしている。
平日はほとんど仕事でできないので、土日する形。
自分の性格的に知らないことを知れるというのが好きだったりするので、自分の世界が広がるじゃないが、面白いなと思ってやっている。

製造業(60代):
字を習いたい、習字。
子どもの頃から亡くなったおふくろに「字が下手だ」と怒られていたから、少しくらい字きれいになって、亡くなったお母さんに詫び状を書きたいね。
「すいませんでした」ってね。

学びが生む「自信」が幸福度高める

「Live News α」では、デロイトトーマツグループ執行役の松江英夫さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
松江さん、みなさん勉強の内容や方法なども様々でしたね。

デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
本当ですね。目的やきっかけは人それぞれでいいと思うんですが、学ぶこと自体に大きな意味があります。色々な調査を見てみますと、自ら学ぶ人ほど、主観的な幸福度が高いという結果があります。

その理由の大きなものに「自己効力感」、つまり目的を達成する時に「自分ならできる」という自信を持つ効果が挙げられます。

「考える力」が自信と成長を支えるAI時代

堤キャスター:
勉強したことを何につなげていくのかということも、重要になってきそうですよね。

デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
そうですね。これからの時代は、AIが当たり前になって膨大なインプット情報に触れることが日常的になる中では、インプットを自分の頭で考えていかにアウトプットできるか、いわば「考える力」がより重要になると思います。

学ぶことを通して考える力を身につける。それによって自己効力感を高めて幸福につなげる、こんな展開が広がることを期待したいと思います。

堤キャスター:
自ら進んで勉強をするということは、得たい知識やスキルが明確になっている分、理解度もより向上するように思います。日々の努力、続けていきたいですね。
(「Live News α」1月17日放送より)

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