広島・安芸高田前市長の石丸伸二氏が15日、新党「再生の道」を旗揚げした。
2025年夏の都議選で全42選挙区への公募候補擁立を目指し、多選制限、政策自由化を掲げ、面接をYouTubeで公開する独自戦略を宣言した。

地域政党旗揚げ…約束事は「多選の制限」のみ

2024年7月の東京都知事選で旋風を巻き起こした、広島・安芸高田市の前市長・石丸伸二氏(42)が15日午前11時過ぎ、新党の旗揚げ会見を行った。

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新党「再生の道」・石丸伸二党首:
新たな地域政党の名前、それは、「再生の道」です。

モニターに映し出された新党のロゴは、「再」と「生」が、矢印でつながっている。
そして新党設立の目標を、“石丸節”でこう説明した。

新党「再生の道」・石丸伸二党首:
ひらたく言えば、「政治屋」の一掃です。議員のイスにしがみつく、これこそ諸悪の根源です。日本が衰退している原因だと断罪します。

安芸高田市長時代に、市議会と対立した石丸氏。
「恥を知れ、恥を!」など、居眠り議員に対する、この痛烈な言葉が話題となり、一躍脚光を浴びた。

2024年7月の東京都知事選に電撃出馬し、SNSを駆使した戦略で支援の輪を広げる様子は、「石丸現象」と呼ばれ、幅広い世代に支持を拡大した。
小池知事には敗れたものの、蓮舫氏を上回る、約166万票を得て、2位となった。

そして、2024年11月の「東京都議会選挙に向けて、地域政党を作ろうと思います」という、この発言から2カ月がたった15日、新党の旗揚げを発表した。

新党「再生の道」のロゴ
新党「再生の道」のロゴ

新党「再生の道」・石丸伸二党首:
この「再生の道」をもって、日本の再生を始めていきたいと考えています。

石丸氏は、紫のネクタイに、スーツ姿で会見に臨んだ。
紫色が自身のイメージカラーなのか、モニターに映した「東京を動かす」のキャッチコピーも紫、そして新党のロゴも、紫色に統一していた。

「再生の道」に込めた意味について、石丸氏はこう説明した。

新党「再生の道」・石丸伸二党首:
ずいぶん前からこの国、日本がもうマズいと、なんとかしないといけないという思いが募っていました。この日本をよみがえらせる、その意味を込めて、「再生」とつけました。

そして、英語の表記を「リバース(Rebirth)」にした理由をこう説明した。

新党「再生の道」・石丸伸二党首:
生まれ変わるぐらいの変化、これが今の日本には必要だと考えたからです。

2025年夏の都議選で、全42選挙区での擁立を目指し、候補者を募る考えを示した。
候補者に求めたのは「鉄のオキテ」だ。

新党「再生の道」・石丸伸二党首:
党の約束事はただ1つ、「多選の制限」これだけです。東京都議としては、これから先、2期8年を上限とする。これが“鉄のオキテ”です。逆を言えばそれ以外の縛りはありません。

任期の上限を、2期8年とする条件を守れば、ほかの党との掛け持ちも認めると説明した。

新党「再生の道」・石丸伸二党首:
共産党の方でも結構です。共産党員として都議をやって、その後は地方の議員になる。都議にさえしがみつかなければ、大歓迎です。

さらに、候補者に求めたことがあった。

新党「再生の道」・石丸伸二党首:
即戦力になれる人材を求めます。よく政治家の方、選挙の最中も、なんなら選挙当選したあとに「これから勉強します」という方があるんですが、ふざけるなと。一から勉強してもらうんじゃ仕事にならないです。

知事や副知事、市長や副市長などの経験者は、「圧倒的に知見がある」として、優先的に候補にするとした。

公募方法にも石丸スタイル…面接をYouTubeで公開も

一方、党として掲げる政策を発表しなかったことで、記者からは政策に関する質問も相次いだ。

記者:
ーー都民に何を還元したい?

新党「再生の道」・石丸伸二党首:
そういう質問が来ると思っていました。いわゆる党として実現する政策は、ここでは出しません。

記者:
ーー(候補者が)それぞれ違う政策を掲げていく?

新党「再生の道」・石丸伸二党首:
さすがですね、おっしゃる通り。各候補者が、各選挙区内において、主張すべきことを主張してもらう。

候補者が、それぞれ違う政策を掲げていくという、石丸スタイルの選挙戦を行うと説明した。
候補者の公募方法についてはこう説明した。

新党「再生の道」・石丸伸二党首:
公募のプロセスは3段階。書類審査、テストがあって、面接。この3つです。3回だけで選びます。

面接の様子はYouTubeで公開し、また最終面接に受かった候補者に対しては、供託金の負担や、選挙のサポートなどを約束する。そして、異例とも言える、こんなサポートもあるという。

新党「再生の道」・石丸伸二党首:
都議のあとの、セカンドキャリアなのかサードキャリアなのか、人によって変わるけど、次のステップを応援していきたい。

記者:
ーー石丸さん自身は、都議選に出るのか?

新党「再生の道」・石丸伸二党首:
ないです。出ません。

フォトセッションに応じる石丸伸二氏
フォトセッションに応じる石丸伸二氏

約100分にわたる会見の終了後、フォトセッションでは、こんな場面もあった。

報道陣:
ーーガッツポーズをしてほしい。

新党「再生の道」・石丸伸二党首:
またそうやって、政治家のイメージを固定させようとしていますね。

ガッツポーズは拒否した。

報道陣:
ーー手を…。

新党「再生の道」・石丸伸二党首:
これは確かに、よくある写真ですね。この際良しとしましょう。

新党「再生の道」を旗揚げした石丸伸二党首が、都議選で、2024年夏のような“石丸現象”の再生を果たせるか、注目だ。
(「イット!」1月15日放送より)

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