千葉・佐倉市の一角に存在する謎の建築物。その場所は、1970年に市街化調整区域に指定された地域で、農地や緑地を守るため、住宅や商業施設などの建設は原則禁止されているエリアだった。市に確認をすると「建築許可は出していない」という物件を所有する業者を直撃すると、「土地購入時からある建物そのまま使用している」と話したーー。

“市街化調整区域”に無許可建築物が並ぶ

「イット!」が14日に取材したのは、千葉・佐倉市の一角。
そこには無許可の建築物が並んでいたーー。

洗面台やバスタブなど、投棄されているようなものがたくさんあった
洗面台やバスタブなど、投棄されているようなものがたくさんあった
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洗面台やバスタブなど、投棄されているようなものがたくさんあり、その奥に建つ建物も無許可だ。

投棄物とみられる大量の資材で、建物に入ることはできない
投棄物とみられる大量の資材で、建物に入ることはできない

投棄物とみられる大量の資材で、建物に入ることはできない。

1階に大量の段ボールが散乱している建物もある
1階に大量の段ボールが散乱している建物もある

さらに、行き止まりにあったのは倉庫のような建物で、1階には大量の段ボールが散乱していて、目の前には自転車などが無造作に置かれていた。

市街化調整区域を示す看板もあった
市街化調整区域を示す看板もあった

実はこのエリア、1970年に市街化調整区域に指定された地域。
農地や緑地を守るため、住宅や商業施設などの建設は原則禁止されている。

建築物を建てるには行政の許可が必要だが、これらの建物は許可を得ているのか。
「イット!」が佐倉市に確認したところ、いずれも許可を取っていないことが明らかになった。

森田匡貴法律事務所・森田匡貴弁護士:
許可を得ないでやるということは、違法になる可能性が高いのではないか。

違法性が指摘される現場では、こんな問題も出てきている。

近隣住民が「うちのせがれの嫁が2階から見て、火事みたいと言っていた。去年ですね」と話し、案内された火事の現場には焼け焦げた跡があり、炭となった竹が転がっていた。

近隣住民:
あれだけいっぱい荒れてるとこありますからね。一番困るのは火。火を漏らされた場合は困る。

直撃に“土地購入時から建っている建物をそのまま使用”

この区域にはいくつかの会社もあった。

すると取材中、中古車販売をする会社に来た外国人男性を発見。
敷地内には車がずらりと並び、事務所内には机や椅子があります。

話を聞くと、男性はパキスタン出身で日本語が話せなかったので、上司に電話でつないでもらうと、上司の男性は「2年前から買っている土地。私は買った前から…。(Q.前の人が建てているから引き次いでいる?)そのまま使っている」と話し、土地を購入した時から建っている建物をそのまま使用していると話した。

市街化調整区域に無許可で建てられた建築物に対し、行政はどう対応すればいいのか。

森田匡貴法律事務所の森田匡貴弁護士は、「佐倉市としてはまず、違反を是正するように指導をする。除却命令をして従わなかったら刑事告発。命令違反という形になると思うので、1年以下の懲役・50万円以下の罰金」と指摘する。

佐倉市は、「都市計画法に違反する建築物については、違反であることが確認できた時点で、違反者に対して是正するように指導をしています」としている。
(「イット!」 1月14日放送)

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