「怖い」「夜間は閉鎖してほしい」ーー近隣住民の生活を脅かしているのは、広島・東広島市の道の駅で深刻化するバイクや改造車集団による深夜の迷惑行為。国や自治体などは1月7日から本格的な対策に乗り出した。

道の駅にバイクや改造車集団がたむろ

「交差点でスピンをしているのを見た。まっすぐの道ができて格好の暴走ロードになった。そのうえに道の駅ができたことでそこが集会の場みたいになっている」
これはテレビ新広島の取材に対する近隣住民の声だ。

東広島市の道の駅「西条のん太の酒蔵」
東広島市の道の駅「西条のん太の酒蔵」
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2022年7月にオープンした道の駅「西条のん太の酒蔵」。特産品の直売所のほかコンビニもあり、日中は多くの人でにぎわうほか物流を支える長距離ドライバーにとっても貴重な休憩スポットになっている。しかし、一方で夜になると近隣住民の生活を脅かしているという。

【提供】広島国道事務所
【提供】広島国道事務所

迷惑行為の様子を捉えた監視カメラの画像。2024年11月23日の夜10時前、騒音を出すバイクが集まって“たむろ行為”が始まった。

また別の日には深夜に改造車が集結。愛車を自慢しあっているのか。こちらも道の駅の敷地内でたむろする様子が映っている。

「もう寝られたもんじゃない」

この道の駅では開業直後からこれまでに“サーキット場”かのような爆音走行などが相次ぎ、「怖い」「夜間は閉鎖してほしい」などの苦情が多く寄せられている。実際、近くに住む人に話を聞いてみると…

「特に週末の金曜日や土曜日。ブワーンとふかす音、ただ走るだけじゃなくて空ぶかしのようなことをしているから寝ていたら目が覚めてしまうくらい」

「私は耳栓していますから」
取材した記者が思わず「耳栓をして寝ているんですか?」と聞き返す。
「そうです」

困っているのは近隣住人だけではない。夜間に道の駅の駐車場を利用する人々にとっても迷惑な話だ。「キャンピングカーで道の駅に泊まった友達が『もう寝られたもんじゃない』と言うのを聞きました。車が集まって自慢するようにワイワイしていたから」と話す人もいた。

他県で効果があった対策をスタート

国交省・広島国道事務所などは対策として1月7日から大きな一手を打つことに。

1月7日に「警告看板」を設置
1月7日に「警告看板」を設置

まず、大きな看板が運び込まれた。看板には「警告」という文字とともに、「許可なき集会、オフ会」「空ぶかしや不必要なエンジン操作」「近隣への配慮に欠けた行為」などを禁止すると強い言葉で書かれている。

警告看板の設置だけでなく、夜10時以降は駐車場内20箇所に設置している照明をすべて消灯。さらに、駐車場内に「減速バンプ」と呼ばれるかまぼこ状の突起物を1月下旬に設置する予定だ。車高の低い車への対策、またドライバーが速度を落とすような効果をねらっている。

道の駅「西条のん太の酒蔵」の大室哲史駅長は「地域の方や道路利用される方が安心して夜間も休憩していただけるような場を目指していますので、そこに一歩でも近づけるように取り組んでいきます」と話す。

広島国道事務所によると、これまで岡山県内の道の駅でも同様の対策を行い「効果があった」という。早期に効果が出ることが期待される。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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