ミカンの仕入れ価格が、10月の平均価格でみると、ここ10年の間でもっとも高くなっている。
農家からも、スーパーからも、消費者からも悲鳴が上がっている。その原因を取材した。

ミカン農家「出来としては3割程度」

東京・銀座にあるフルーツ大福専門店。

この記事の画像(10枚)

おおぶりの温州ミカンがまるごと入った大福が看板商品のひとつ。1日で平均50個ほどが売れるという。

しかし、悩ましいできごとがある。

弁財天 銀座店・山下佳子さん:
値段は上がっております。出来れば値段を上げずに頑張りたいんですけども、どうしても…。

こちらの店では、6月には850円だった温州ミカン入りの大福を990円へと段階的に値上げした。その理由については…

弁財天 銀座店・山下佳子さん:
(仕入れ価格が)前年よりも2~3割高くなっております。

ミカンの仕入れ価格の高騰。
10月の平均価格でみると、ここ10年の間でもっとも高くなり、1キロ当たり345円となっている。

一体、何が起きているのか。
埼玉・東秩父村にある園を取材すると…。

見晴園 根岸美智子さん:
今年は不作でして、53年やっていて初めての出来事で。はっきり言ってしまうと、緊急事態なんですけども、出来としては3割程度ですかね。

2023年の同じ時期の様子と比べると、明らかに実の数が少ないことが分かる。
この歴史的な不作の原因が気候だという。

見晴園 根岸美智子さん:
今年は気温が高かったじゃないですか。気温が高いと、雨が急にザーッて降るとミカンが水分を一気に吸収しようとするんですね。そうすると、みかんの皮が成長が追いつかなくて割れてしまう。

さらに、追い打ちをかけたのがカメムシだ。

見晴園 根岸美智子さん:
過去にないほどのカメムシが大量に飛んできてしまいまして。果汁を吸ってしまうんですね。
そうすると、真っ黄色になって下にたくさん落ちてしまう。

こうしたミカンの歴史的な不作は、名産地である愛媛県をはじめ、全国各地で起きている。

一方、スーパーでも悲鳴が上がっている。

アキダイ・秋葉弘道社長:
例年だと398(円)ぐらいで売っているのが、480円で売っていますね、袋のやつね。

80代女性:
ミカンが一番好き。もうちょっと(値段が)下がればいいけどね。

年末年始にかけて、ミカンの値段はどのようになっていくのか。

アキダイ・秋葉弘道社長:
今年みたいに流通量が少ないときっていうのは、(年末年始に)どうしても値段が上がるって傾向がありますよね。
(「イット!」12月5日放送分より)