ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、北方領土返還交渉は強い逆風にさらされている。
少しでも関心を持ってもらいたいと、地元・根室市出身の女子レスラーがリングで闘志を見せた。
北方領土元島民3世のプロレスラー・七星さん
11月末、北海道根室市で開催された北都プロレスの大会。
この記事の画像(16枚)そこにフリーのレスラーが参戦していた。
そのレスラーの名は。
「青コーナー根室市出身!北方領土元島民3世、七星」
覆面レスラーである七星選手は、本名や年齢は非公表だが、れっきとした根室市出身。
現在は静岡県在住で、北方領土元島民3世だ。
根室市のアマチュア団体「新根室プロレス」でプロレスの道に入った七星選手。
「青コーナー、本日デビュー、七星」
その後、2022年7月に東京を拠点に活動する団体「シークレットベース」でプロデビューを果たした。
代表の清水さんは北方領土・元島民2世だ。
「清水さんは東京に住んで、東京で(北方領土返還)活動をされていて、私は静岡で北方領土の返還要求運動があって」(プロレスラー 七星さん)
現在、七星選手が住む静岡県は、1855年に下田市で日露通好条約が締結された場所。
北方四島を日本の領土と定め、領土返還運動が盛んな静岡県で、七星選手も講演し活動している。
少しでも関心を― 地元で凱旋試合
デビュー戦から2年4か月、現在フリーとなった七星選手は、地元・根室大会当日、あるところに向かっていた。
「父方の祖母が(北方領土)引き揚げ者で、物心つく前からずっと島の話を聞かされてた」(北方領土元島民3世のプロレスラー 七星さん)
「(Q:北方領土へ行ったことは?)無いんです。コロナやロシアのウクライナ侵攻があったりして」(七星さん)
向かったのは納沙布岬の北方館。
ここで講演活動の資料を探していた。
「講話の時使います。いつも教会のある水晶島を見て、肉眼でも見えるけど貝殻島の灯台見て帰る」(七星選手)
北都プロレスのクレイン中條代表も七星選手に期待を寄せる。
「しばらく根室で試合が無かったので、これを機会に元島民3世ということで。(七星選手は)いろんなところで講演したり活動しているんですよね。少しでも応援したいと、私から(根室凱旋大会を)お願いした」(北都プロレス クレイン中條代表)
最後のバトルロイヤルは七星選手の勝利で締めくくられた。
「頑張っていましたね。これからも頑張ってください」
「めちゃ面白かったです。初めて見ましたけど」(いずれも根室市民)
「カッコよかったです」(釧路市民)
「凱旋おめでとうございます」
「ぜひ私たちの地元にも来て下さい」(いずれも士別市民)
いつか北方領土でプロレスを
北方領土まで3.7キロの根室市で凱旋試合を行った七星選手。
夢は広がる。
「北海道だけじゃなく、北方領土の意識を高めていくのがプロレスを通しては私にしかできないので、やっていきたい」(七星選手)
「(Q:北方領土に近づいた?)2.5キロくらい近づいたんじゃないでしょうか?あと1.2キロ」(七星選手)
『いつか北方領土でプロレスをやりたい』。
この夢に向かって七星選手は歩みを進めている。
「赤コーナー根室市出身!北方領土元島民3世、七星」
「いろんな垣根を越えて、言葉いらないですからプロレスって。すごくいい友好関係を築けるきっかけになると思う。厳しい現状ではあるけど、チャンスが来た時につかめるように準備しておきたい」(七星選手)