全国的に水道管の老朽化が進む中、相次いでいるのが水道料金の値上げだ。新潟市では2025年1月から料金が約3割上昇。戸惑いの声が上がる一方、下水道管の損傷が原因とみられる道路の陥没も発生していて、老朽化をめぐる対策は待ったなしの状況だ。
下水道管損傷で道路陥没も…老朽化による更新時期迎える
新潟市北区の市道で発生した道路の陥没…。陥没の大きさは幅1.4m、深さ1.7mにわたっていて、道路の交通規制が行われていた。
この記事の画像(10枚)県によると、下水道管が損傷したことで周りの土砂が吸い出され、道路の陥没につながった可能性があるという。
県下水道課の波塚泰一課長は「全国的に下水道を起因とするような道路陥没が多く発生している事例もある」と話す。
下水道管が原因であれば、早急に補修をしていきたいと話すが、「総じて予算が少ない。あとは老朽化も進んでいるので、対策をやらなければいけない箇所も多くなっていて、まだまだ足りない」と、その実情を明かす。
こうした下水道管だけでなく、水道管の多くは高度経済成長期に敷設され、現在・老朽化による更新時期を迎えている。
新潟市の水道料金“約3割”値上げへ 市民へ理解求める
これにより、工事費用がかさみ、全国で水道料金の値上げが相次いでいる。
特に新潟市では2025年1月から平均29%と大幅に引き上げられる。
この状況に新潟市民からは「30%だと大きい。私らも年金生活だから」「ちょっと大変。電気もガスも上がっている中で、水道料金まで上げられるとなると」「安心安全な水を供給してもらうには、やっぱりかかる。しょうがない」「とりあえず流しっぱなしにしないように、一回一回止める」などの声が聞かれた。
新潟市が水道料金を値上げするのは、約24年ぶりで、その背景には人口減少などによる収入の減少も影響している。
新潟市水道局経営管理課の大場悟史課長は「このままいくと、2025年度には水道事業が成り立たなくなる」と危機感を露わにした。
また、2024年1月の能登半島地震では老朽化した水道管で石川県のほか、県内でも多くの断水が発生。耐震性のある水道管に替え、ライフラインを維持するためにも、大場課長は値上げへの理解を求めている。
「効率化を図りながら、市民の皆様にご迷惑をおかけしないように、引き続き、事業運営をしていきたいと思っているので、何卒ご理解のほどよろしくお願いします」
私たちの生活に欠かせない水道をめぐる環境は大きな転換点を迎えている。
(NST新潟総合テレビ)