サッカーJ2・モンテディオ山形は、12月1日(日)にJ1昇格に向けた第1関門、プレーオフ準決勝を控えている。11月27日に、山形をプレーオフに押し上げたストライカー・ディサロ燦シルヴァーノ選手にスタジオにお越しいただいた。意気込みなどを聞いていく。

2年ぶりに山形復帰 最終節でも活躍

フォワードのディサロ選手は東京都出身で現在28歳、愛称は「レレ」。法政大学を卒業した2019年に当時J3の北九州に加入。山形を率いていた小林伸二監督の元で活躍し、J1の清水へ。2022年のシーズン途中に期限付きで山形に加入した。

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その後、清水に戻って今シーズン途中までJ1の湘南でプレー。そして2024年6月、今度は山形に完全移籍で加入。2年ぶりに山形に戻ってきてくれた。

プレーオフ進出を決めてから期間が空いたため最終節を振り返る。
5位の山形は、6位の千葉との直接対決だった。山形は開始2分、正確無比、安部選手の左足から先制すると、27分のペナルティーキック、ディサロ選手がキーパーの逆を突いて2点目。31分には土居選手がこぼれ球を押し込み3点目。
後半にも坂本亘基選手がダメ押しのゴールを挙げ、4対0で完勝し9連勝。最終的には4位となり、3シーズン連続でのプレーオフ進出を決めた。

加入後14試合で8ゴールの功績

最終節が終わり、少し日にちが空いたが、プレーオフ準決勝はいよいよ4日後。今の気持ちについて「今まで通り目の前の1試合に集中するという感じですね」と答えたディサロ選手に、これまでを振り返ってもらった。

さくらんぼテレビ・白田貴彦アナウンサー:
(最終節で)ディサロ選手が2点目のPKを決めた瞬間、あまり喜びを表に出さなかったように見えたが、何か意味はあったのですか?
FW#90・ディサロ選手:
深い意味はないのですが、ゴールの直前に相手選手が退場し、千葉のサポーターの目の前ということもあったので…よく言えば配慮ですかね。

2年ぶりに完全移籍で山形に復活したディサロ選手
2年ぶりに完全移籍で山形に復活したディサロ選手

白田アナウンサー:
紳士的な対応だったということですね。
最終節もしっかりゴールを奪って、ディサロ選手は山形加入後、14試合で8ゴール。高い決定力で山形をプレーオフに“導いた”と言っても過言ではない。加入したときは確か15位、よくここまで上がってきたと思うが、振り返ってみてどうですか?
ディサロ選手:
苦しいところから、苦しみながらもシーズン初めからみんなが積み上げてきたものがあったので、そこにゴールという形で少しアクセントを加えることができたかなと思います。

白田アナウンサー:
“補強”として加入してもフィットせず結果を残せないケースもたくさんある中で、ディサロ選手はどうしてここまで山形にフィットしているのですか?
ディサロ選手:
僕が他の選手の特徴をより早く把握しようと思ったこともあるし、その逆もしかりで、みんなが僕の特徴をより早く把握・理解してくれて、自分のストロングポイントを生かしてくれるような働きをしてくれたからだと思います。

白田アナウンサー:
14試合で8ゴールの中で、素晴らしすぎて震えたゴールがあった。第34節の山口戦、高江選手のクロスに頭で合わせたゴール。クロスに対して少し迎えに行きながら体をひねって、距離のあるゴールにたたき込んだ体幹の強さ。常人ではできないプレーについてディサロ選手自身の評価は?
ディサロ選手:
よく枠に持って行けたなという感じです。

白田アナウンサー:
満足のゴール、これくらいはできるよ…と?
ディサロ選手:
はい、ぼちぼち(笑)

「気持ちの強さで必ず勝ちたい」

プレーオフはトーナメント方式。準決勝は4位の山形と5位の岡山、3位の長崎と6位の仙台が対戦する。上位チームのホームで試合が行われるため、準決勝は山形のホームゲームとなる。そして引き分けの場合は、上位のチームが勝ち進めるというアドバンテージもある。

白田アナウンサー:
リーグ最終盤もそうだったが、引き分けでもいいという状況は選手たちの心理に何か影響はありますか?
ディサロ選手:
どう心理に影響するかは分からないが、監督が口酸っぱく言っているが僕たちはいつも勝利を狙っているので、引き分けようという気持ちはさらさらない。

準決勝の相手は、山形でも指揮を執っていた木山監督率いる岡山。昨シーズンまで山形にいた藤田息吹選手も主力として活躍している。岡山は、今シーズン失点数がJ2で2番目に少なく、安定したディフェンスが持ち味のチーム。

山形は2年前のプレーオフの初戦、岡山ホームで対戦し、ディサロ選手の先制ゴールもあって3対0で完勝。岡山にとって山形は因縁の相手ともいえるかもしれない。

そんな岡山について、ディサロ選手は「ディフェンスに安定感があって、セットプレーや前も人数をかけて攻めてくる。そこは僕たちも変わらないので、チーム全体でこじ開けたいと思います」と意気込みを語った。

準決勝に向けて、岡山の藤田選手と木山監督に話を聞いている。

ファジアーノ岡山 MF#24・藤田息吹選手:
山形に3年間所属していて、すごくたくさん応援してもらった。またあのピッチでプレーできるのは楽しみでもあるし、山形に絶対負けたくない相手でもある。最後は自分たちがどれだけ昇格したいかという気持ちの部分が大きいと思うので、そこを強く持って臨む。

ファジアーノ岡山・木山隆之監督:
お互い自動昇格こそできていないが、その次にJ1に近いところで戦ってきたチームだと思う。自分たちは挑戦者として3ポイントを取るためだけにやる。はっきりとした試合になると思うので、全力で臨みたいと思う。

2年前はともに山形でプレーオフを戦った藤田選手と相まみえる形となるが、コメントを聞いたディサロ選手は「いぶくん(藤田選手)が言っていた通り、昇格への気持ちが強いチームが勝ち上がると思うので、その部分で必ず勝ちたいと思う」と語った。

最大の準備ができた3週間

27日、チームは岡山戦に向けて練習を公開。練習の雰囲気や心境の変化について話を聞いた。

公開練習の様子
公開練習の様子

白田アナウンサー:
2年前は期限付き移籍、今回は完全移籍を経てのプレーオフということで、心境の変化はありますか?
ディサロ選手:
そこに関する心境の変化はないですね。いま所属しているチームで、そのチームを上に押し上げたいという気持ちに違いはない。

公開練習の様子
公開練習の様子

白田アナウンサー:
最終節から期間が空いたが、練習の雰囲気はどうですか?
ディサロ選手:
期間が空くことはシーズン中でもあるので、そこに対して戸惑いはないと思う。一人ひとりが自分にできることを考えて、最大の準備ができた3週間だったと思う。

公開練習の様子
公開練習の様子

白田アナウンサー:
リーグ戦の時は、次節に向けてその前の1週間は相手チームの対応をすると思うが、この3週間は岡山だけに集中したトレーニングだったのですか?
ディサロ選手:
そんなことはないですね。前回の試合の振り返りだったり、岡山に向けて対策だったり、相手のウィークをつく練習はあったが、自分たちが積み重ねてきた今までのものを反復するような練習だったと思います。

他の選手たちも「試合が楽しみ」

練習後、選手たちに岡山戦に向けた意気込みを聞いた。

DF#5・安部崇士選手:
岡山は守備でも固くやってくるチーム。そう簡単に勝てない相手だと思うが、自分たちが積み上げてきたものをぶつけていけば勝てると思う。そこはぶれずにやっていきたい。

MF#25・國分伸太郎選手:
3週間という時間があったが、早く試合をしたい思いでいっぱいだったので、ようやく試合ができるのを楽しみにしている。チームのために1ゴール・点を取ることができるように、しっかり準備したいと思う。

MF#88・土居聖真選手:
みんな良い雰囲気でやれているので楽しみ。J1昇格したいし、期待も込めてたくさんの声援を送っていただければと思う。

プレーオフへの意気込み

最後に、プレーオフに向けた意気込みとサポーターへのメッセージをいただいた。

ディサロ選手:
日ごろより応援していただいているサポーターのみなさん、ありがとうございます。みなさんもこのゲームの重要さを分かっていると思いますが、よりたくさんの方に現地に足を運んでいただいて、より多くのサポーターと勝利を分かち合いたいと思うので、ぜひNDソフトスタジアム山形に足を運んでください。待ってます!

J1昇格に向けた第一関門、岡山とのプレーオフ準決勝は12月1日(日)にホームで午後2時キックオフ。スタジアムでは、先着1万8000人に「イチガンタオル」がプレゼントされる。チームカラーのタオルを掲げて、山形をJ1へ後押ししよう!プレーオフでも、ディサロ選手のゴール&レレマスクが見たい。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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