スマートフォンを使いながら自転車を運転する「ながらスマホ」の罰則が11月1日から強化された。全国的に自転車が関わる交通事故が増加傾向にある中、宮崎県内の自転車マナーの現状、そして「ながらスマホ」の危険性を取材した。

宮崎市内の交差点で「ながらスマホ」の定点調査

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自転車の運転中にスマートフォンの画面を見たり、通話をしたりする「ながらスマホ」。罰則が強化された後のある日、「ながらスマホ」の実態を調べるため、宮崎市のデパート前交差点で定点調査をした。

信号待ちで停まっている時にスマホを見ている人はいたものの、ほとんどは動き出す前にポケットなどにしまい、スマートフォンを触らないよう意識している様子。しかし、なかには…。

森山裕香子記者:
あちらの男性、走り始めましたが、まだ片手にスマホを持っています。スマホをしっかりと見ている様子もわかります。

さらに…。

森山裕香子記者:
あちらの男性、スマホホルダーにつけたスマホを少し見ながら走り出しました。

調査の結果、1時間で通った自転車の利用者148人のうち、「ながらスマホ」をしていたのは3人。ほとんどの利用者が交通ルールを守っているが、罰則が強化されてからも違反行為をしている人がいた。

11月1日に施行された改正道路交通法では、こうした「ながらスマホ」をした場合、6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金、さらに、「ながらスマホ」で交通事故を起こすなどした場合、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることになった。

「ながらスマホ」危険性の検証

JAFは、「ながらスマホ」の危険性を検証した映像を公開している。

スマートフォンに視線を落としたまま運転していると…。

赤信号を見落とし、交差点に進入してしまった。

また、別の男性は片手でスマホを持ちながら運転…。

操作が不安定になり、子供のマネキンに衝突してしまった。

警察は街頭キャンペーンで呼びかけ

命に危険が及ぶ大きな事故につながりかねない「ながらスマホ」。

警察によると、宮崎県内では罰則が強化されて以降、自転車の「ながらスマホ」で検挙された人はまだいないが、2024年1月から10月末までに自転車の「ながらスマホ」に関する指導警告は565件に上っているということだ。

警察官:
11月から、自転車を運転中の『ながらスマホ』と飲酒運転、酒気帯び運転の罰則が厳しくなりました。運転中に、特にスマホを見ながら運転することはやめてください。

警察は、街頭キャンペーンを行うなどして法律の順守を呼びかけている。

県警本部交通企画課 小森誠課長補佐:
自転車は、車やバイクと同じ車両なので、『自転車だからこれくらい』という考え方を改めて、交通ルールをしっかり守り、安全に運転してもらえればと思う。

今回の法改正では、自転車の「酒気帯び運転」についても罰則の対象となり、飲酒運転をする可能性がある人に酒類を提供することも禁止された。罰則が適用されるのは14歳以上で、自転車を利用することが多い中高生も含まれる。

自転車を運転する時は、自分が事故の被害者にも加害者にもなりうることを意識することが大切だ。

(テレビ宮崎)

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