水素の技術開発に力を入れているトヨタ自動車は、水素エンジンと電気モーターを組み合わせた「ハイブリッド車」を初公開しました。従来の水素エンジン車に比べ、加速力と航続距離がアップしました。
■「水素」と「電気」のハイブリッド
11月16日と17日、静岡県小山町の「富士スピードウェイ」で4時間耐久レースが行われ、レースカーが爆音をあげながら猛スピードで走りました。
トヨタ自動車は、二酸化炭素をほとんど出さない水素エンジンのレーシングカーで参加しました。

トヨタは2021年から、水素燃料で走る車の開発をレースを通して進めていて、豊田章男会長が自らハンドルを握りました。

水素の技術開発に力を入れるトヨタが、今回初めて報道陣に公開したのが「ハイエース」です。最近開発された、水素エンジンと電気のモーターを搭載したハイブリッド車です。

水素エンジンと助手席に収まったハイブリッドシステムの組み合わせで、従来の水素エンジンと比べて航続距離が50キロアップし、250キロまで走れるようになりました。

さらに、この組み合わせで加速力もアップしていて、2025年春からオーストラリアの公道で実証実験を始めます。
■豊田章男会長「多くの選択肢を与えるべき」
水素自動車を巡っては、燃料補給をするための水素ステーションの普及が遅れ、国の目標の半分以下しか設置されていません。

このためトヨタはJAFと協力し、10分間でおよそ100キロ走れる水素を充填できる世界初のトラックも開発しました。

脱炭素社会の普及に向けて、今後も取り組みが加速しそうです。
トヨタ自動車の豊田章男会長:
モータースポーツでも「敵は炭素」ということで、いろいろやっていこうという動きが見えています。使う方によって多くの選択肢を与えるべきなんじゃないかなと思っています。
(東海テレビ)
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