山頂に巨大ブランコが登場

学校の校庭や公園で子供に人気の遊具といえば、ブランコ。

空中を舞っているかのような感覚を楽しめることから、小さな頃は夢中になった人もいるのではないだろうか。

そんなブランコが規格外の場所と大きさで登場し、ネットをざわつかせている。

まだ工事中だったけど、白馬の岩岳山頂にオープン予定のブランコ、えぐくない?

Twitterユーザーのken(@kecbon)さんが8月20日に投稿したのは、設置途中とみられるブランコ。周囲の人と比べると明らかに大きく、さらにその眼前には雄大な山々が広がっている。かなり高い場所に設置されているとみられ、バンジージャンプ台と間違えてもおかしくないほどだ。ブランコの先は傾斜になっていて、思い切り漕ぐと山に吸い込まれてしまいそうだ。

作業中の人と比べると大きさが分かる(提供:kenさん)
作業中の人と比べると大きさが分かる(提供:kenさん)
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この光景を見て、「口笛はなぜ~遠くまで聞こえるの...」というフレーズが有名な、アニメ「アルプスの少女ハイジ」のオープニングを思い浮かべた人もいるだろう。

ネットユーザーもそうだったらしく、いいねを1万6000以上(8月28日現在)も集めた、この投稿のリプライ欄には、「リアル版アルプスの少女ハイジ」「教えておじいさんー」などと、ハイジを連想させる反応が数多く寄せられた

この巨大ブランコの正体は、長野・白馬村の岩蕈山にあるリゾート施設「HAKUBA IWATAKE MOUNTAIN RESORT(白馬岩岳マウンテンリゾート)」に設けられた、アクティビティの一つ。名称を「ヤッホー!スウィング」といい、8月28日から営業を始めたばかりだという。

白馬岩岳マウンテンリゾート
白馬岩岳マウンテンリゾート

ブランコは勢いをつけてこぐのも楽しみ方の一つだが、この大自然の中で体験すると、一体どんな景色を味わえるのだろう。また、乗り心地はどうなのだろうか?

白馬岩岳マウンテンリゾートの管理会社に、ヤッホー!スウィングの設置経緯や実際に体験した人の感想などを聞いてみた。

設置場所はなんと標高1289メートル

――ヤッホー!スウィングがあるのはどんな場所?

白馬岩岳マウンテンリゾートの山頂テラス「ハクバマウンテンハーバー」のすぐ近くです。ここは標高1289メートルの山頂で、北アルプスが一望できる展望スポットになっております。


――この場所に設置した理由は?

白馬三山(長野県と富山県にまたがる3つの山)が正面に見えて、遮るものなにもなく、開放感抜群で写真映えもする場所です。絶景を身ながらブランコに乗ることで、自然の雄大さをより体感してもらえると思いました。

眼前には絶景が広がる
眼前には絶景が広がる

――なぜブランコを置くことにした?

設置場所はもともと、冬はスキー場のリフト降り場、夏は風景を楽しめる展望台として利用されていました。近年はリフト降り場としては使わなくなったのですが、景色が良かったので、数年前から「何らかの形で有効活用したい」という話になっていました。そこで、景色や自然を体感できるブランコが選ばれました。

ハイジは「とてもイメージしております(笑)」

――「アルプスの少女ハイジ」を思い浮かべる人もいるが、意識はした?

とてもイメージしております(笑)。企画段階の時点で「ハイジのようなブランコがあれば、SNS映えで注目されるのでは」との話が出たとも聞いております。アイデアの段階ですが、スタッフがハイジ風の衣装を着たりすることも考えています。


――ブランコの大きさはどのくらい?

高さは約3.6メートル、横幅は約4.5メートルです。公園に設置されているような、一般的なブランコの約2倍の高さとなっています。ちなみに、フレームの素材は鉄製です。


――利用条件などはある?

安全上の理由から、身長110センチ以上、体重100キロ未満、ウエスト100センチ未満の方を利用条件としています


身長が低いと足が地面に届かない可能性が、体重が重いと釣り紐が切れてしまう可能性が、ウエストが大きいと安全帯が装着できない可能性が考えられるためです。

安全帯を着用しての利用となる
安全帯を着用しての利用となる

――営業期間、利用人数、利用料金は?

営業時間は9:30~16:00まで、利用人数は1回の乗車で2人まで、利用料金は1人2分までで、1回500円
となります。今年の営業期間は、8月28日から11月8日までを想定しています。

白馬岩岳マウンテンリゾートの夏季営業が11月8日までで、その後は12月中旬の冬季営業まで一時休業となるためです。冬季にヤッホー!スウィングができるかどうかについては、検討中です。

久しぶりのブランコに苦戦する乗客も

――初日(28日)を終えて、乗客の反応は?

28日は約70人が利用しました。30代くらいまでで、若いカップルが多かったですね。反応だと「童心に帰った」「気持ちよかった」という声が多かったです。残念ながら、28日は空に雲がかかってしまったので、「山が見えればもっと気持ちよかった」という意見もありました。


――気になる反応はあった?

久しぶりにブランコに乗った人も多かったらしく、「自分の思ったようにこげない」と苦戦する反応もありました。景色の迫力に驚きの声もあったようです。SNSで話題となったことで、「これネットでみたやつだ」などと、ヤッホー!スウィング自体を観光する人も多くいました。


――安全面に問題はない?

乗車時は必ず、安全帯を装着していただきます。腰掛ける座板はゴム製で、裏側には空洞も設けているので、幼児でも安全に座れるようになっております。ブランコの下には傾斜がありますが、足元には安全対策の網を張っているので、万が一飛びすぎても安全に着地できます

安全対策として足元には網を張り巡らせている
安全対策として足元には網を張り巡らせている

――ブランコに関連して展開するサービスはある?

オープンには間に合いませんが、「Web自動撮影サービス」の導入を検討中です。これは乗車中の様子を自動撮影して、QRコードで写真を入手できるシステムとなっております。


――どう楽しんでほしい?

目の前に広がるアルプスの絶景を見ながらのブランコは、まさにハイジのオープニングシーンを疑似体験できると言っても過言ではありません。このブランコに乗ると、つい「ヤッホー!」と叫びたくなる爽快な気分を味わると思います!!


山頂という想像以上の高さに設置されたブランコは、やはりハイジをイメージしていた。乗客の反応によると、美しい景色を楽しめるが、久しぶりのブランコに苦戦する人もいたという。長野県を訪れたときは体験してみたいものだが、その前には、公園のブランコで乗り方を思い出してみるべきかもしれない。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。