のんびり時間を過ごせるマウンテンリゾート

眩しい日差しが降り注ぎ、ゆったりとくつろげる広々とした空間。
まるで南国リゾートのようだが、実は大自然が広がる美しい景色が見渡せる標高1400メートルのビーチリゾート

「白馬マウンテンビーチ」
「白馬マウンテンビーチ」
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長野県白馬村にこの夏オープンした「白馬マウンテンビーチ」。
山岳風景を満喫しながらビーチリゾート気分を味わえる異色な空間となっている。

山形県からの観光客:
天気も良いし、かわいいし。ちゃんと時間をとって、ゆっくり来たいです。

アウトドア初心者や若年層の取り込みへ

白馬といえばインバウンド需要の高まるスキー事業が主力だが、国内客に目を向けると…

白馬観光開発・和田寛社長:
なんだかんだオリンピックはもう21年前になってしまい、若い方は実は「白馬」という名前を知らない人が多くなっている。そこに対する危機感もあり、みなさんが必ずしもスキーをやられるわけでもないし。

白馬観光開発・和田寛社長
白馬観光開発・和田寛社長

近年は春から秋にかけて登山客が10万人以上訪れるが、それは年間来客数の約20%。
一年を通じて安定的に集客するための戦略として、山に親しみのないアウトドア初心者や若年層の取り込みだった。

レストハウスの屋上を改装し、コロナビールやロキシーなどと協業し、カフェバーやジャクジーを完備。これまでのスキー場や山のイメージを覆す、のんびり時間を過ごせるマウンテンリゾートを作った。

3人組の観光客:
--長野県じゃないみたい。
--今年初めて白馬に来ました。もともとスキーもあまりしないので、ネットで見付けてきました。
--新しくて良いと思います。若い人は新しい物が好きなので。

非日常感を手軽に味わえるリゾートに

時代と共にリゾートのトレンドが変化したり、施設の老朽化などが懸念される中、オールシーズンのマウンテンリゾート化は地域の活性化の新たなヒントにもなりそうだ。

白馬観光開発・和田寛社長:
白馬にとっては景観が一番の資源。何か新しいものを作るのではなくて、もともと寝ていた屋上を活かすことで十分に新しいお客さんに味わって頂くこともできると思う。非日常感を手軽に味わいたいと思ったときに「白馬」という名前が出てくればいい。

その土地のオンリーワンの魅力を増やすことが重要

三田友梨佳キャスター:
地域にある資源をどう活かしたらいいのか。新しい地域活性化の試みですよね。

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏:
「白馬、雪、スキー」といった単純な発想だけで客が集まる時代ではなくなっているということ。
多くの人が満足するためには典型的なリゾートでは限界がある。かつてはみんなが同じものを食べて、同じところに行って楽しんでいましたが、現在は外国人観光客も増えていますし、若者のニーズも多様化してきています。そうした中で典型的な平均的なサービスでは満足しない世の中になってきています。

三田友梨佳キャスター:
若い世代は節約志向も強くなってきていますが、財布の紐を緩ませるためにはどうしたら良いのでしょうか?

長内厚教授:
自動車など耐久消費財に対してはなかなか緩まないと言われていますが、一方で消費者白書が指摘しているのは、優れた体験には若者はお金を使うという結果があります。周りに流されずに自分が納得する質の高い物にはお金を使っていく、目の肥えた消費者になってきています。そういったニーズが多様化する中、リゾート側は自分たちが活かす物はこれで、様々なニーズに対応するためにこういうことをやっている、その土地のオンリーワンの魅力を増やしていくことが重要です。

三田友梨佳キャスター:
特別感ですね。そこでしか味わえない非日常的な時間を過ごせる場所が増えれば、私たちの生活はより豊かなものになりますし、リゾートの通年化も加速しそうです。

(「Live News α」11月27日放送分)