名古屋市千種区で2024年9月、バールのようなものを持った不審者が住宅の敷地に侵入しました。防犯カメラに不審な行動が映っていて、気付いた住人の声で不審者は逃走しました。なぜこの住人は被害を食い止めることができたのか、専門家は「攻める防犯対策」を勧めています。
■住人に見つかり1度は逃げた不審者が直後に現場に戻った理由
9月5日の午後10時すぎ、千種区の住宅に設置された防犯カメラの映像には、帽子を被って布のようなもので顔を隠した長袖長ズボン姿の2人組が映っていました。
この記事の画像(13枚)手には、バールのようなものを持っていて、そのまま1人が門を乗り越え、続いてもう1人も侵入し、敷地の奥に進んでいったその時…。
住人:
コラー!!
住人が大声をあげると、2人組は一目散に門扉を乗り越え、やってきた車に乗り込み、逃走しました。
しかし約2分後、1人がライトで照らしながら何かを探しにきたようです。
住人の男性によりますと、逃走した際に1人が付けていたとみられるイヤホンが門にひっかかっていたということです。
■専門家が勧める「攻めの防犯」4つのポイント
相次ぐ強盗事件で、ターゲットにならないための対策について、防犯アドバイザーの京師美佳(きょうし・みか)さんは「攻めの防犯対策」を勧めています。
京師さんは「どのような犯罪でも下見をしています。リフォーム業者のふりをして車でまわったり、Googleストリートビューなどでもしている」と話し、狙われやすいのは、「高齢者」が住んでいる「古い一軒家」だといいます。
防犯アドバイザーの京師美佳さん:
セキュリティが低いということと、住んでいる方が高齢者の場合多く、数万円から数十万円の生活費、タンス預金などが置いてあるというところが狙われているポイントだと思います。
対策については京師さんは防犯意識の高さをアピールすることが大切で、「攻める防犯対策」として4つのポイント、音、光、時間、人の目をあげています。
1つ目の「音」は、窓や玄関につける「防犯ブザー」です。
2つ目の「光」は、人を感知して点灯する「センサーライト」で、犯人をひるませる効果があるといいます。
3つ目の「目」は、人に見られていると思わせるための「防犯カメラ」で、京師さんは「証拠を残す意味ですごく重要になります。声を出せるようなカメラを選んでください」としています。
4つ目の「時間」は「鍵穴のない電子錠」です。
京師さんによると、侵入に5分以上かかれば7割、10分近くになると9割が諦めるということです。
ほかにもガラスの強度を上げることが有効です。
これは防犯専用のフィルムで、ガラスに張れば体重をかけても、ハンマーで強く叩いてもなかなか貫通しません。
■それでも侵入されたら…命を守るための緊急時の対策
しかし京師さんは「防犯に100%はない」と話しています。警察庁によりますと、全国の強盗・殺人を含む重要犯罪の認知件数は、2022年と比べて2023年はおよそ12400件と3割増えています。愛知県は74件から90件に増加していて、約2割増です。
また、全国の強盗での検挙者は少年が増加していて、2022年は235人でしたが、2023年は329人と100人ほど増えています。若年化は「トクリュウ」に関連があるとみられています。
不審者に侵入された場合、京師さんはトイレやベッドルームなど「鍵のかかる場所へ逃げ込む」ことや「すぐに通報できるようにスマホを身に着けておく」ことが大切と話しています。
2024年10月11日放送
(東海テレビ)