つまり、いろいろな具を満遍なく食べることで、脂質やエネルギーの摂取を抑えながら、たんぱく質やカルシウム、ミネラルなどさまざまな種類の栄養素が取れるというのだ。

例えば、はんぺんは動物性たんぱく質が豊富で低脂質、すり身にすることで消化吸収もよい。
がんもどきは具材に使われる野菜の食物繊維、ミネラル分、カロテンのほかに豆腐の植物性たんぱく質が含まれる。
玉子は“完全たんぱく”といわれるほどアミノ酸の構成が良質で、体をつくる筋肉や組織の材料になる。

そして是非食べてほしいのが、昆布、こんにゃく、大根の“食物繊維トリオ”だ。昆布には食物繊維のほかにカリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル分が多く含まれている。
こんにゃくは、「お腹の中を掃除する」といわれるように水溶性の食物繊維が豊富で、お腹の調子を整える作用がある。また大根は煮込むことでだしを含み、うまみが増す。

これらに加えて、ちくわぶや餅入り巾着を食べれば炭水化物(糖質)も取れることになる。さらに副菜に青菜のおひたしなど緑黄色野菜を添えれば、バランスの良い食事が出来上がるという。
塩分量は大丈夫?
ここで気になるのが塩分だ。
おでん汁や練りものはしっかりと味が付いているため塩分量が高い印象がある。しかし紀文食品が管理栄養士の杉本恵子さんに聞いたところ、「練りものの塩分は意外に少ない」という。
魚肉で作る、かまぼこ・さつま揚・はんぺん・ちくわの1食あたりの平均塩分量は約0.6g。練りものの塩分量というのは高い印象があるが実は1gを切っているという。

しかし、もし塩分を取り過ぎたと思ったら、余分な塩分を体の外に排出する効果が期待できる「カリウム」の多い食品を一緒に食べると良い。
【カリウムの多い食品】
・いんげん豆などの豆類や納豆などの豆製品
・昆布、ひじきなどの海藻類
・やまいも、さつまいも、じゃがいもなどのイモ類
・ほうれん草などの野菜類
・バナナ