アップルは独自のM4チップを搭載し、生成AIに対応した新型「iMac」を発表した。日本では、11月8日から販売を開始する。専門家は、各社が独自AIを持つことで競争優位を確保するため、今後も競争激化が続くと指摘する。
独自AIの新型「iMac」日本語対応は2025年予定
アメリカのIT大手アップルは、生成AIに対応した新型デスクトップパソコンを発表した。

アップルが2024年10月28日に発表したのは生成AIに対応するため、独自のM4チップを搭載した新型デスクトップパソコン「iMac」だ。

日本での価格は税込19万8800円からで、既に予約を受け付けていて、11月8日から販売を開始するという。

さらに、アップル独自の生成AIシステム「アップル・インテリジェンス」の初期機能の提供も始めた。

機能は、文章の構成・要約などに限られており、英語のみの対応で、日本語などへの対応は2025年以降になる。
独自AIは自社データ活用と競争優位確保のため
「Live News α」では、暮らしを変えるテクノロジーに詳しいIoT NEWS代表・小泉耕二さんに話を聞いた。
堤礼実キャスター:
アップル独自の生成AI機能、どうご覧になりますか。

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
日本でも一部の機種で、iOSが18.1の場合は、英語設定にすれば利用可能になります。
個人的にも楽しみにしていた機能で、実際に試してみたのですが、私のiPhoneは英語でいろんな情報を書いていないので、あまり試せませんでした。日本語版が出るのを待ちたいところです。
堤キャスター:
今回のアップルもそうですが、ビッグテック各社は、なぜ自社の生成AIにこだわるのでしょうか。
IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
生成AIに関する競争優位性をいち早く確保できなければ、その企業は他社のAIに頼ることになり、競争力がなくなってしまいます。
他社の生成AIを使えば、開発コストは掛からなくなりますが、その一方で、自社のサービスが持つデータと、自社のアプリケーションをつないだ賢いサービスを作る際に、制約が出てきてしまいます。
堤キャスター:
具体的には、どういうケースが考えられるのでしょうか。
IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
例えば、アップルがグーグルのAIを使って、アップル・インテリジェンスの様なAIを作るとなると、アップルは、アプリの仕様をグーグルに開示して、自社サービスに合うようなAIを作ってもらうか、もしくは、アップルがグーグルのAIの機能の範囲でAIサービスを作ることになります。
こんなことはAndroidとiPhoneのシェア争いにおいて、ありえないですよね。
データ活用と信頼確保が開発競争のカギ
堤キャスター:
生成AIの開発競争は、これからどこに向かうのでしょうか。

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
各社が生成AIを個別に開発することを前提とすると、「どんなデータを学習できるのか」が重要になると思います。
一方で、データの機密性が問われる昨今、自社サービスを利用するクライアントや個人のデータを勝手に学習することが出来なくなっています。
そうなりますと、これまで以上に利用者の明確なメリットを提示して、データを開示してもらうことが重要になります。
ビッグテック各社は、こういった取り組みを通して、自社サービスの進化のために、自社の生成AIを鍛えることを強いられる流れになっている思います。
つまり、この生成AI開発競争は、止まることなく、今後ますます激しくなる一方だと思います。
堤キャスター:
生成AIの開発が進み、私たちの便利さの可能性が広がるほど、それを使いこなすリテラシーが求められるのかもしれませんね。
(「Live News α」10月29日放送分より)