■公明はまさかの代表落選
この記事の画像(14枚)大阪では、全面対決となった維新と公明。 維新の「風」はやんだのか、それとも健在だったのか。 公明党に激震が走った、石井啓一代表の落選。 代表就任からわずか1カ月、自身の進退については・・・
公明・石井代表:国会議員でなくなれば、代表を続けるといろんな困難が伴う。そういったこともよく含めて検討したい。
■公明「常勝・関西」で大苦戦
公明党にとって最大の山場となったのは、「常勝」を誇っていた「関西」での戦いだった。
日本維新の会・吉村共同代表:今回の選挙でも、まあ裏金議員を公認し、この大阪においても公明党は推薦する。そんな政治はもうまっぴらごめんです。ぶっ潰しましょう
公明党・山口那津男前代表:そんな暴言をはくような体質の維新だから、兵庫県の知事のような問題になってしまう。こういう人たちに、まともな政治を期待することはできない。
■維新・公明 全面対決の背景は「大阪都構想」
常勝関西の牙城を崩しに来たのは「日本維新の会」。 結党以来初めて、小選挙区で全面対決を挑んできたのだ。 背景にあったのは、維新の看板政策・いわゆる「大阪都構想」。 維新はこれまで、都構想への協力と引き換えに、公明党の選挙区に候補者を立ててこなかった。 しかし、大阪府議会と市議会で、維新が過半数を超えたことなどから、協力を求める必要がなくなったのだ。
■支持団体「創価学会」フル稼働も大阪では完敗
佐藤茂樹候補:おはようございます。
大阪3区では、公明党のベテラン・佐藤茂樹さんが、10年以上、議席を守ってきたが・・・。
通行人:ちょっとやせたやん。
佐藤候補:しまってきましてん。
通行人:苦労してんねんな。
佐藤候補:ありがとうございます。
かつてない厳しい戦いに。 支えたのは、やはり公明党の支持母体・「創価学会」だった。
創価学会の支援者:絶対落としたらあかんです。佐藤さんは。厳しいって聞いてるので、すごく電話しまくってます。
創価学会の支援者:僕は今まで以上にいろんな手を尽くしてね、訴えてる。必死になって訴えてる。それはもう口では言えません。
■石破首相に小泉選対委員長 自民の大物が続々応援入りするも…
自民党の大物議員も続々と応援入り。
石破首相:歴史を変え、国を変えるのは、常に地方である庶民大衆であります。 その中心にいるのが佐藤繁樹であります。
小泉進次郎・自民党選対委員長:しげき、はんげき。しげき、逆転。勝ちましょう!」
■維新・藤田幹事長が選挙戦を総括
しかし、公明党は大阪の4つの小選挙区で「全敗」。 一方の維新は19の小選挙区で全勝という結果になった。 「維新の風」に吹かれた公明党。
一方、維新は、今回の勝利をどう見ているのか?藤田幹事長に聞く!
■藤田幹事長「次につながる選挙区あるものの 全体的には厳しい戦いだった」
吉原キャスター:日本維新の会の藤田幹事長に今後の戦略などを伺います。 今回の選挙では大阪全19区で全勝したものの、 全国的には議席が減って「野党第一党」の目標は達成できず、むしろ遠のきました。藤田さん、この受け止めはいかがですか?
日本維新の会 藤田文武幹事長:今回の選挙は本当に厳しい戦いで、私どもの至らなさ、そして期待が広がらなかったということについては、真摯に受け止めたいと思います。 一方で、これまでは大阪以外は小選挙区は相手にならないという地域がほとんどでありましたが、大阪は公明党さんのところも含めてすべて薄氷を踏む戦いでありましたが、勝ちあがらせていただき、加えて滋賀、和歌山も大接戦で数百票差で負けましたが、非常に大接戦でした。 そして広島、福岡とまだまだ発展途上の地域で1つ2つと勝ち上がれたことは、次につながるとはいえると思います。 ただ、全体的には非常に厳しい戦いだったと受け止めたいと思います。
■「全体で負けたのは 選挙の責任者である自分の責任が一番大きい」
関西テレビ 神崎 博 報道デスク:立憲を上回って野党第一党になるという目標があったと思うんですが、だいぶ遠のいたというか、厳しいと思いますが、その辺はいかがですか?
日本維新の会 藤田文武幹事長:ちょうど一年半前ぐらいの統一地方選挙の後は統一地方選挙で地方議員が倍増したということもあり、ご期待が膨らみました。 その時期は立憲民主党さんと並ぶ支持率、むしろ上回るということが数ヶ月ありましたし、これは実力以上の広がりだったと当時も思っていました。 やはり今回については立憲民主党さんのほうが奥深いし、実力もあったと反省し、受け止めなければいけない現実だと思います。 一方で、かなりの逆風の中でも小選挙区がいい勝負ができたところは、多くはないですけども、出てきたということは、候補者や支援者、地域の県連を非常に讃えたいと思います。 全体で負けたのは、各候補者の努力が至らなかったのではなく、私たち、采配を振った執行部、そして選挙の責任者は私でありますから、私の責任が一番大きいと感じています。
吉原キャスター:泉さん、維新をどう見ました?
立憲民主党 前代表 泉健太さん:確かに政治は局面で、ずいぶん景色が変わるなと実感しました。今回、大阪で19で全体が38ってことは半分が大阪なんですよね。 ですから、かなり地域的な偏重の傾向が出てしまったことと、それでも維新さんは国会で改革を訴えてきた政党ですから、自民党に対抗して改革が新たに進むかどうかが問われている。 我々も一緒にやれる部分、政策ごとの連携なりはしっかり強めて実現していくことをぜひやっていきたいですね。
■「維新は橋下氏、松井氏が幹部だった頃と比べ悪くなった」が約3割 出口調査
関西テレビの出口調査では、日本維新の会は橋下さん、松井さんが幹部だった頃から変わったかどうか、調査すると「良くなった」と答えたのは5%で、「悪くなった」と答えたのがおよそ3割という結果になった。
吉原キャスター:調査結果、藤田さんどう受け止めますか?
日本維新の会 藤田文武幹事長:真摯に受け止めたいと思います。橋下さん、松井さんは私も尊敬していますし、松井代表、藤田幹事長、そして馬場共同代表という期間が少しありまして、本当に魅力的で組織をまとめる能力もずば抜けていました。 松井さんは幹事長、そして馬場さんが次の幹事長、そして私が3代目の幹事長でありますから、先輩方にまだ追いつけておらず、党をまとめる力量が足りていないことについては批判は受けたいし、成長する糧にしたいと思います。 ただ、結果責任はありますから、このように先代の方が良かったんだと、創業者達から引き継いだメンバーはまだ力量不足ということはその通りだと思います。 今回の結果にももちろん表れていますし、ここは逃げずにしっかりと受け止めて、改善できるところはすべきだし、責任を追及されるのであれば、それも含めて受け止めたいと思います。
■「馬場代表と一体でやってきた」と藤田幹事長 「代表選に出ることは考えられない」
選挙の結果を受けて、党の内部からこんな声が聞かれている。「執行部の責任論は避けられない。代表選をやるべきだ。吉村さんなら満場一致だが、若い人がやらないと刷新感がない」と当選した維新の議員が答えた。吉村共同代表は、28日の午後、このように話した。
日本維新の会 吉村洋文共同代表:今回選挙結果を見ても、大阪以外は野党の中で一人負けしているような状況でもありますので、100人以上の仲間も落選しましたから。そういった意味では代表選を実施するのが筋じゃないかなと思っています。
日本維新の会 藤田文武幹事長:代表選は参議院選挙、衆議院選挙、そして統一地方選挙の後に代表選をやるか、やるやらないかということを特別党員、つまり議員の皆さんに地方議員も含めて聞かせていただくというルールになっていまして、 それぞれの選挙に対する思いや現執行部に対する思いを表明する場でもあります。 私自身は馬場代表と一体でやってきましたから、馬場代表をお支えするという一点において、貫きたいと思いますけれども、代表選挙をやるべしという党内民意があれば当然やるべきだと思います。党にとってもよいことだと思います。 代表選挙になるということは、事実上、現体制の不信任という意味合いも半分以上含まれていると現執行部として理解していますから、馬場代表に対する不信任だけではなくて私に対するものも半分以上あると。 特に選挙は実務的なことは全部私が采配してきて、むしろ私の責任が重いと思っています。不信任を突きつけられて、馬場代表の代わりに私が出るとか、一緒に出るということは考えられないなと思います。
■首班指名で「石破」と書くのは難しい 「数合わせで選ぶつもりはない」
共同通信社 編集委員太田 昌克さん:次の首相を国会で選ばなきゃいけないですけれども、おそらく一回目は維新の代表のお名前をお書きになると思う。 しかし、決戦投票では、恐らく石破vs野田になってきますよね。国民の半数が『ノー』を突きつけた石破茂と決選投票でお書きになれますか?
日本維新の会 藤田文武幹事長:それは難しいと思いますね。
共同通信社 編集委員太田 昌克さん:やはり違う選択肢を選ばれるということですね。
日本維新の会 藤田文武幹事長:選挙をそれぞれの政党がそれぞれの主張で戦いました。立憲さんにも大変僭越ながら、こういうところが立憲さんと我々は違い、立憲さんがダメなところであると主張しましたし、それから自民党に対してさらに強い口調で、政治とカネの問題について、追求もしてきました。 そういったところで、数合わせで『こちらの方が有利か、それはこっちの方が』といわゆる高く買ってもらえるのかみたいな気持ちで、どちらがいいかと選ぶつもりはありません。 我々は今回の選挙で、政治とカネの問題は決着をつけることに加えて、現役世代の負担を下げていこう、そのために改革をやっていこう、その手法も細かく提案もしてきました。 ですから、そういったところの合意なくして国のトップを決める首班指名でどちらかにつくということは、私達は少し票が減りましたが、強く賛同してもらい、票を入れていただいた皆さんに失礼だと思いますから。 そこは安易に決められないことだと思いますし、もちろん両党からすでにお声掛けはいただいていますから、拒否することなくしっかりと向き合ってお話したいと思います。
共同通信社 編集委員太田 昌克さん:仮に石破さんが退陣して、別の新総裁が現れたら、自民の新総裁を首班に推す選択肢はありますか?
日本維新の会 藤田文武幹事長: 自民党の今の顔が石破さんだから難しいと申し上げているのではなく、自民党がどのような政策をやるか。前の岸田総理と文章まで交わして文通費を改革すると約束しましたが、簡単に反故にされました。 この件と政策活動費の中で現金を裏で配りまくっていると言われてきた政治を獲得目標に辞めたいということで、10年後という交渉をしたわけなのですが、国民の皆さんに理解されずに、しかも最後私たちは梯子外されて反故にされたことは、私が交渉担当者だったので本当に責任を感じています。失敗だったと反省をしています。 これは私の未熟さで、維新の先輩方も騙されたことありましたが、党の幹事長を担わせてもらって、一番矢面に立つ立場でこういうことがあったのは今回の選挙における支持率の低下の大きな要因になったと責任を感じています。 こういう世界ですから、とにかく口約束や署名に変えても裏切ってきた自民党に対して私は厳しく徹底的に接すると思いますから、顔が変わって、優しい顔の方が出てきたらこうだとか、厳しい顔の方が出てきたらこうだとか、そういう判断基準では全くないと申し上げておきたいと思います。
■「立憲・維新 結びつきは強くなっていい」 立憲・泉前代表
吉原キャスター:立憲と維新の結びつき、より強くなるのかどうか泉さんズバリどうでしょう。
立憲民主党 前代表 泉健太さん:強くなっていっていいと思います。それは国民のためですからね。今回自公が215まで落ちたことに対して、どうやって国会が物を動かしていくかですから、ここでもう一回自公に主導権を握らせてしまったら、何のための総選挙の結果だったんだということになりますからね。 我々は首班指名をいただいても、時に少数与党は非常に厳しい。でもだからこそ、誠実に各党に対して、物価対策でエネルギー手当を継続しようだとか、あるいは防衛増税はやめようとか、教育の無償化、特に給食費の無償化を先にやろうと。常にそれぞれの政党の賛同を得なければやれない政策ですから。
吉原キャスター:野党はもうすべての政党が連携する候補になるんでしょうか?
立憲民主党 前代表 泉健太さん:連立内閣とは違いますけれども、首班指名でまずご支援いただくことが、今回の総選挙の一つの結果として、もっとも取るべき選択であると考えています。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年10月28日放送)