佐賀県では最低賃金が現行の900円から956円に引き上げられた。上げ幅は過去最大で、労働者の待遇改善や人手不足解消などが期待される。一方、雇用主にとっては大きな痛手となり不安の声も上がっている。

“引き上げ幅”は過去最大

佐賀県内の最低賃金は2023年度も47円引き上げられたが、2024年度はそれをさらに上回る56円の引き上げとなった。

佐賀地方最低賃金審議会(2024年8月)
佐賀地方最低賃金審議会(2024年8月)
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さらに国の審議会が示していた上げ幅の目安である50円を6円上回っていて、引き上げは21年連続。“引き上げ幅”は時給で示すようになった2002年度以降過去最大となった。

「やる気につながる」

最低賃金の引き上げについて県民の声を聞いてみた。

大学生(アルバイト勤務):
上がったのはすごくうれしいこと。働きやすくなるかな

30代女性(教育関係者):
あまり自分のなかで実感はないが、働くなかでちょっとずつ給料は上がっていった方が私たちのやる気にもつながる

雇用主にとっては大きな痛手

労働者の待遇改善や人手不足解消などへの期待の声がある一方、企業など雇う側にとっては今回の最低賃金の引き上げは大きな痛手となる。

飲食店店長:
ちょっと困る。(今後)どうやっていけばいいのかなというのが率直な気持ち。うちの商品の値段を上げてお客さんがどう思うかですよね

この飲食店では今のところ価格は据え置くとのことだが、今後どうなるかわからないと、不安の声が聞かれた。

「全国的にはまだ低い」

一方で佐賀県民からはこのような声も…。

40代男性(会社員):
全国的にはまだ低いと思うので、せめて福岡と同じ水準くらいまでいったらいいなと思います

九州・沖縄では佐賀県の最低賃金は福岡県の992円に次いで2番目だが、全国平均は1055円とその差は歴然。

物価高騰が続く中、企業など雇用主にとっては大きな痛手となる今回の最低賃金の引き上げ。労働者の待遇改善や人手不足の解消、若者の県内への定着につながるのか注目される。

(サガテレビ)

サガテレビ
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