密回避の秘策!夏祭りをドライブスルーで
夏祭りの定番、お化け屋敷。
よく見ると、お客さんがいるのは車の中。
高知・香南市野市町で開かれたのは、その名も「ドライブスルーで夏祭り」。
国道55号線沿いにある香取神社では毎年、夏祭りが開かれていたが、新型コロナウイルスの影響を受け、今年は開催が危ぶまれていた。
そこで、夏祭りの企画・運営をしている地元有志が考えた秘策が、人との接触や密集を最小限にすることができる「ドライブスルー形式」。
祭り会場は、田んぼの中を走る市道160メートル。
受け付けを済ませた参加者は、約1時間かけて決められたルートを車で走り、8つの出し物を体験することができる。
お化け屋敷も車で!? 窓からお化けが…
中でも人気だったのが、「お化け屋敷」。
車が専用スペースに入ると、大勢のお化けがお出迎え…
子ども:
怖いー!!
鬼気迫るお化けの表情に、子どもたちはパニック!
放心してしまう子どもや、号泣する子どもも…
お化けも準備に余念がない。
車が来るまで、見た目や動きをチェックしていた。
余裕の表情を見せていた少年も…
少年:
めっちゃ怖かったです。幽霊が出てくるところです
子どもたちの反応に、お化けたちもご満悦の様子だった。
夏の定番・スイカ割りのコーナーや、夏祭りに欠かせない射的はもちろん、ボールを使ったビンゴゲームもあり、どの出し物も大盛況。
一度廃止した夏祭り、11年前の復活…ボランティア代表の思い
地元ボランティアサークル 近藤洋好代表:
もうね、こんなに大盛況とは思いませんでした
そう話すのは、地元有志代表の近藤洋好さん(42)。
祭りに対して並々ならぬ思いがあった。
地元ボランティアサークル 近藤洋好代表:
自分が恩返しをしたいことが1つありまして
この近くの香取神社では毎年、夏祭りが行われていたが、子どもの減少などにより約30年前に一度廃止になった。
しかし、お世話になっている神社の総代から、「子どもたちのために祭りを復活させてほしい」と頼まれた近藤さんは、11年前に一念発起する。
実家の旅館で働く傍ら、資金集めや祭り内容の調整に、当時は1人で奔走したという。
2013年のインタビューでは、当時について…
地元ボランティアサークル 近藤洋好代表:
しんどかったですね。暑さとかより、精神面でしんどいところがありましたね。なんでこんなにばかばかしいこと。みんなの前で頭を下げたり、祭りを復活するって募金を集めたり、ほかのボランティアを集めたりしているのかなあと、自分の中ではすごく、クエスチョンマークが非常に多かったですね、初年度は
疲弊する中で迎えた復活1年目の夏祭りだったが、近藤さんの目に飛び込んできたのは子どもたちの笑顔だった。
地元ボランティアサークル 近藤洋好代表:
子どもたちが笑顔で祭りを楽しんでくれているのを見て、それで自分がやった甲斐があったなと。第一回の子どもたちへの恩返しのつもりで毎回させてもらってます
参加した子ども:
楽しかった。車の中超楽しい
参加した親:
夏祭りが全部、どこにも行けなかったので、こんなふうにやってくれて、子どもも楽しんでくれたので良かったです。お祭りに行けたっていうのが、一番の思い出になりました
大人たちのアイデアと、近藤さんの感謝の気持ちが詰まったユニークな祭りは、子どもたちの夏の思い出の1ページになった。
(高知さんさんテレビ)