鹿児島市郊外の住宅地で、イノシシ目撃情報や被害が続いている。警察や地元住民がパトロールにあたり、保護者付き添いで登校する小学生もいた。地元の猟友会がわなを仕掛けても効果がなく、住民の警戒が続いている。

猟友会がわな仕掛けるも捕獲は難航

警察などによると2024年10月14日の朝8時ごろ、鹿児島市原良7丁目で、1人で散歩していた70代女性が1頭のイノシシに襲われた。女性は太もものあたりを複数回かまれたが命に別条はなかった。

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現場に居合わせた男性は「イノシシが女性に覆いかぶさっていた。怖かったですよ。家の目の前の竹やぶに巣が2つ3つあるようだ」と話す。

現場はJR鹿児島中央駅から約2kmと、市の中心部に比較的近いものの、山と住宅に挟まれていて、周辺ではイノシシの目撃情報が相次いでいる。2023年11月に男子小学生が、2024年2月には20代男性がイノシシに襲われけがをした。

鹿児島市から要請を受けた地元の猟友会は、イノシシを捕獲するためのわなを設置している。

しかし、猟友会の野口和哉さんは「山が大きいからその中に生息してイノシシの数が増えている。一生懸命捕獲しているが、学習しているせいか、わなに入らない。知恵比べです」と苦労を語る。

現場付近に痕跡 保護者は不安も

女性が襲われてから3日後の朝。鹿児島テレビの取材班は、女性がイノシシに襲われた現場の茂みに、前日まではなかったイノシシが掘ったとみられる跡を発見した。

地元の猟友会が仕掛けた箱わなには特段の変化はなかった一方、わなの近くにはイノシシがミミズなどを食べるため地面を掘った痕跡があったのだ。それもかなり新しいものとみられる。

今回の事態を受け周辺では、警察のパトロールが続いている。朝は保護者と一緒に登校する小学生の姿も。登校に付き添った保護者は「子どもが安全に登校できないので、何とか不安なく登校できるように変わればいいと思う」と不安を口にした。

近くの原良小学校では、イノシシよけに有効とされる鈴を持ち歩くよう指導しているほか、下校時もできるだけ複数の児童でまとまって帰宅するよう呼びかけている。

(鹿児島テレビ)

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