10月から高齢者などを対象に原則、有料で新型コロナウイルスワクチンの定期接種が始まった。今回の接種から新たに変異ウイルスに対応した「レプリコンワクチン」が加わり5種類になった。専門家は「どのワクチンを打つかを含め医者とも相談しながら接種を検討してほしい」としている。
自己負担 ワクチン定期接種
10月から始まった新型コロナワクチンの定期接種。冬の感染拡大に備えての取り組みで、対象は65歳以上と、基礎疾患のある60歳以上。
3月までは無料だったが10月からは季節性インフルエンザと同じように原則、自己負担が発生する。
自己負担額は自治体の補助額によって異なり、県内19市では、長野市、松本市、安曇野市などが1800円、伊那市、駒ヶ根市が3500円などとなっている。
対象外の人は任意接種で、1万5000円ほどの費用を全額自己負担することになる。

信州大学医学部附属病院感染制御室の金井信一郎副室長は「夏休みと年末年始をピークに比較的、感染者が増えやすいことは傾向として出てきた。65歳以上の方、持病をお持ちの方に関しては感染したときの重症化のリスクは高くなりますので、ワクチン接種でリスクを下げていく方が重要」と話し、接種を検討してほしいとしている。
レプリコンワクチン 不安視する声も
今回の接種からワクチンは5種類になった。新たに加わったのが変異ウイルスに対応した「レプリコンワクチン」。

今回の接種からワクチンは5種類になった。新たに加わったのが変異ウイルスに対応した「レプリコンワクチン」。
遺伝物質のメッセンジャーRNAが体内で複製されて増える自己増殖型のワクチンで、「次世代型ワクチン」とも呼ばれている。体内で増殖するため従来よりも比較的効果が持続するといわれている。
ただ、日本以外で承認されておらず、安全性を不安視する声も上がっている。
SNS上では「メッセンジャーRNAが無限に作られ、他人に感染する」などとの情報も見られるが、厚生労働省は「他人に伝播し健康被害が出るとの科学的知見はない」としている。
街の人からもこんな声が聞こえてきた。
「家族に聞いて、今度のレプリコンはすごい怖いから打っちゃいけないと言われている」
「いろんな情報で危ないようなことを聞いているので、今まで通りのワクチンにしようかなと」

専門家「かかりつけ医に相談を」
金井副室長は「新しいワクチンだと不安になる方もいるので、今、選択肢がたくさんあるので、その中から自分がいいなというワクチンを調べて、打つのがいいのかな。(かかりつけ医の)先生が、お勧めしているワクチンを打っていただければ」
どのワクチンを接種するかは、医療機関の取り扱い状況によるが、金井副室長は、悩む場合はかかりつけ医に相談してほしいとしている。

(長野放送)