超短期決戦で行われることになった「解散総選挙」。新潟県内の選挙区から出馬する候補者は新たな区割りでの闘いに挑むことになる。新潟市西区や燕市・加茂市などが選挙区となった新潟2区では、自民党から非公認となった前職・細田健一氏と県内最長8期目を目指す立憲民主党の前職・菊田真紀子氏の対決に日本維新の会の新人・井上基之氏が割って入る三つ巴の構図となっている。
無所属(自民非公認)・前職 細田健一氏 “政治資金問題”で背水の陣
10月6日に新潟県燕市で開かれた決起大会で、自民党の前職・細田健一氏は「おそらく私は来たるべき総選挙、比例名簿への登載というのは見送られるものと思っている。つまり、私は小選挙区で勝たなければ国会には戻れないということ」と訴えた。
この記事の画像(8枚)派閥から受けた564万円のキックバックを収支報告書に記載せず、党から戒告処分を受けていた細田氏。
「比例重複」が見送られると予想されていたが、自民党本部はさらに厳しい判断を細田氏に突き付けた。
10月8日に開かれた自民党の選挙対策本部会議でこれまで非公認の方針が固まっていた6人のほか、新たに細田氏など6人を非公認とする方針を示したのだ。
「正直、勘弁してほしいと思う。正直、いい加減にしろという気持ちはあるが、何ら説明がないので、どういう理由で私がこういう判断が下されたのかもよく分からないので、相当困惑している」
解散後にこう話し、まさに背水の陣となった細田氏。選挙には無所属で、県連の推薦を得て臨む考えだ。
「厳しい戦いになると思うが、目の前のやるべきことに集中して、一歩一歩、歩んでいきたい」
立憲・前職 菊田真紀子氏 新区割りでも“知名度”抜群
逆風を組織の力ではねのけるべく奮闘する細田氏と対峙するのが、立憲民主党の前職・菊田真紀子氏だ。
「新しい選挙区に変わって『あ、菊田さん』と、『本人を初めて見た』とか『名前は知っている』とか、声をかけてもらえるのうれしい」
現在7期目の菊田氏は新しい区割りとなり、初めて活動する燕市でも知名度は抜群だ。
党の要職にもつき、さらなる認知度向上に向け、各地のイベントへ積極的に参加。マイクを握れば舌鋒鋭く細田氏の政治資金問題を追及する。
「相手の方はしっかり裏金をためて、裏金で秘書を雇用していますからどうかと思いますけど。私、やっぱり政治には倫理観、そして道徳心・正義が必要だと思うんです」
ただ、自民党の公認を得られなくなった細田氏に対して警戒感も口にした。
「政治家は厳しい選挙になればなるほど鍛えられるし、陣営も引き締まるので、私としても一寸の油断も、おごりも、緩みも許されない」
維新・新人 井上基之氏 “消費税減税”など訴える
自民党への怒りの声をあげるのは、菊田氏だけではない。
「政治資金問題不記載未記載の問題、あれだけ問題だと言われていたものが、うやむやなまま次の解散総選挙に入る。これはよろしくない。変えていかなければ」
街頭でマイクを握り、こう訴えるのは日本維新の会の新人・井上基之氏だ。
社会福祉法人の創設理事長や大学の非常勤講師としての経験を生かし、消費税の減税や社会保険料の減免などの政策を訴え、知名度アップを目指す。
「どこかいま選択肢がなかった中に、新しい選択肢ができたんだよということを皆さんに認識していただけたら」
初対決となる3人の訴えは有権者にどう映るのだろうか。
(NST新潟総合テレビ)