10月に入っても続く“異常”

10月に入っても夏が終わらない。
1日に引き続き、2日も各地で季節外れの暑さとなった。

全国で最も暑かったのは、埼玉県越谷市で観測された33.3℃だ。

10月2日は192地点で30℃以上の真夏日に
10月2日は192地点で30℃以上の真夏日に
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全国914地点あるうち、1日は10月過去最多の248地点、2日は192地点で30℃以上の真夏日となった。

北では”杜の都”仙台で、10月としては初の真夏日となる30.3℃を観測。

東京都心でも31.9℃まで上がり、10月としては6年ぶりに31℃以上を観測し、数年に一度レベルの暑さとなった。

暑さの要因は台風18号

この記録的な暑さをもたらしているのは、台湾に接近中の台風18号だ。

さらに例年なら、日本の南の海上にまで下がって、列島に秋をもたらす秋雨前線が、まだ列島の北側にある状況だ。

この前線に向かって、台風18号が引き込んだ暖かく湿った空気が南から次々と流れ込み、列島の気温のベースを引き上げている。

この先も“夏”が続く...

全国主要地点のこの先の最高気温の予想を見ると、そのほとんどが平年より高くなっている。

4日(金)は、2日(火)に10月史上初の真夏日となった仙台に加え、新潟でも30℃予想と、例年なら既に秋を実感しているはずの東北や、北陸でも厳しい残暑になる見込みだ。

名古屋・大阪でも5日から7日で30℃以上の予想
名古屋・大阪でも5日から7日で30℃以上の予想

そのほか、名古屋や大阪でも、5日(土)から7日(月)までの3日間は、30℃以上が続く予想で、名古屋で10月に真夏日が3日以上続けば、1890年に観測が始まってから初のことだ。
(10月最長は2日連続で2022年、2021年、2013年)

10月前半は“10年に一度の高温”か

さらに気象庁は、6日(日)頃から、10年に一度程度しか起きない、著しい高温になる可能性があるとして、北海道から九州の広範囲に「高温に関する」早期天候情報を発表した。

日本の南側にある暖かい空気が、北側の涼しい空気よりも強いため、南から北まで夏の空気に覆われるとみられる。

2024年は10月前半で異例の30℃前後の予想
2024年は10月前半で異例の30℃前後の予想

例年だと沖縄以外では、真夏日が極端に少なくなる時期だが、2024年は異例で、10月前半(14日ごろまで)は、東日本や西日本を中心に、30℃前後と真夏のような暑さが予想される。

10月に入り、そろそろ秋服を楽しみたいところではあるが、個人的にも、まだまだ半袖が活躍中である。

長袖に衣替えするタイミングに悩む日々が、もうしばらく続きそうだ。

樋口康弘(フジテレビ気象センター・気象予報士)

樋口康弘
樋口康弘

福島県福島市出身。東京理科大学理学部卒(数学専攻)。
アウトドアな趣味が高じて、SEから気象予報士に転身。(ちなみに趣味:スノーボード、登山、競馬、麻雀など※共通点は風を読むこと)
気象キャスター、気象ディレクター、デスク(気象災害部門)を経て、現職。座右の銘は「1分、1秒を大事に!」。
天気といえば「フジテレビ」、防災といえば「フジテレビ」、行動のきっかけは「フジテレビ」を目指して奮闘しています。