北海道札幌市ススキノのホテルで男性を殺害し、首を切断したとして親子3人が逮捕された事件。10月1日午前11時から、母親の田村浩子被告(61)の4回目の公判が札幌地方裁判所で開かれている。
1日の公判では、弁護人から提出された田村瑠奈被告(30)の音声データが初めて公開されたあと、父親の田村修被告(60)が出廷し、証人尋問が行われた。以下はその続きである。
弁護人からの質問(続き)
Q 頭部損壊について、瑠奈被告に撮影をやめるというのは難しかったのか?
A 今回の撮影はすでに損壊をほぼしていた。損壊したものを撮影し、最後の一つの作業を撮影した。作業を中断した場合、本人の感情がどうなるかを考えると、止めない方がいいと思った。
Q 頭部撮影を先延ばしにはできなかったのか?
A 作業を頼まれたのは夕方。関西に出張する用事があり、丸二日家を空ける予定だったので、浩子に頼むと思っていたので、とても耐えられないと思った。

Q 5月28日に瑠奈被告が車に戻ってきたとき、修被告が聞いたことについて。
A 戻ってきたらカラオケかと思ったが、実際にはホテルに連れていかれて、お持ち帰りされそうになって社会勉強かと思って良しとした。その後相手から性行為を迫られたため、スマホをオフ。避妊してつけるなら良いと言ったが、4、5回やって最後の時の途中でゴムを外され約束を破られたことについて、最初ごまかしていたけど最後逃げるように帰ってきた。
Q これらを忘れないようにメモしたのか?
(やりとりを手帳にメモしていたものをスマホで撮影したものがモニターに映し出され、修被告がメモを読み上げる)
A "ベロチュウ"されて、お持ち帰りされ、その後ホテルに連れていかれて社会見学かと思ったが、性行為をされ、スマホオフ。ゴムありとして計4~5回。最後はゴム無しでされて「ごめん」と言って逃げるように帰った。
Q 瑠奈被告は性行為に興味があったのか?
A はい、そうだと思う。
Q このとき、性行為は初めてだったのか?
A 恐らくそうだと思う。
Q 怒っていた? 悲しんでいた? 瑠奈さんの様子は?
A 避妊具なしでされたことにより、妊娠したのではないか、性感染症にかかるのではないかと言っていた。
Q 泣いていたりは?
A それはなかった。
Q ビッチのふりや我慢比べのような話があったが、3日後の瑠奈さんの感情については?
A 約束を破ったことについて、「どうしてそんなことをしたのか、ちゃんと謝ってほしい」と言っていたが、淡々と。全体的に気分が高まっているようだった。

Q (被害男性と)どう関わっていきたいと言っていた?
A 直接会って謝ってほしいと話していた。
Q 2人について修被告はどう思ったか?
A 時間が経つにつれて、自然にフェードアウトしてくれればいいと思った。
Q 瑠奈被告と一緒に(被害男性を)探したのか?
A 一緒にススキノへ行き、私はクラブへ、娘はスリラーバーのイベントへ行った。その後、一緒に探して見つけた。
Q どういう気持ちで探した?
A 正直、見つからなければ良いな、感情がフェードアウトしてくれれば。
Q (被害男性が)いそうな場所を瑠奈被告は知っていた?
A 本人から個人情報を聞くことができず、週末に(年齢が)上向きのクラブに行くと聞いていたのでその条件で探した。
Q (被害男性のことを)シカと呼んだ経緯は?
A おそらく家族の誰一人として名前を知らなかった。娘から「シカと呼ぼう」という提案があった。
Q シカと呼ぶのは探しに行く直前か?
A 直前ではないと思う。
Q 浩子被告の「獲物」という入力について、浩子被告と獲物と呼ぶやりとりはあったのか?
A ない。
Q メールのやりとりも瑠奈被告とはしないのか?
A はい。
Q 瑠奈被告から修被告に何か聞きたいとき、浩子被告が代わりに聞くことはあるのか?
A 日常的にある。
Q ススキノに到着し、(被害男性を)見つけた瑠奈被告の様子は?
A やりとりして握手したりして楽しそうだった。行く前に本人が「いた」と見つけ、私の方で謝ってもらうことと、謝らなかったら二度と会わないように釘を刺した。
Q 戻ってきたとき、瑠奈被告は何と言ったのか?
A 謝ってもらえたから、次に会うことにしたと言った。
Q どう次の約束が決まったのか?
A 7月1日なら可能。来週でもと言われたが、仕事の関係で連れて来られないと言った。
Q 21日夜にSMの練習をしたが、どちらから言い出したのか?
A 娘から「前回責められたから、今回は私が攻めるのだ」と前から言っており、「練習したい」と言っていたので、SMなんだろうなと思った。
Q 時間はどれくらいだったのか?
A 長くて1~2分。もっと短かったかもしれない。
Q 具体的には何をしたのか?
A 「正座して、手を後ろにして、目をつむって」と言われた。後ろから迫ってきて、触ってくるような感じだった。「どう?」と言われ、「ぞくぞくするね」とやりとりをした。
修被告が証言する間、浩子被告はモニターの方をまっすぐ見続けていた。