8月4日(日)、静岡県の富士スピードウェイで行われたスーパーGT第4戦。42台のレーシングカーが走る中、一際目を引く車が。

グッドスマイルレーシング。

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「初音ミクGTプロジェクト」として、大人気キャラクター・初音ミクをレーシングカーにラッピングした、いわゆる”痛車”でGT300クラスに参戦。

しかし、可愛らしい見た目とは裏腹に、2011・2014・2017年と3度GT300のシーズンチャンピオンに輝く強豪チームなのだ。

チームを運営するのは、アニメキャラクターのフィギュアなどを扱うグッドスマイルカンパニー。

初音ミクは当初、企業スポンサー獲得に向けたチームの広告塔だった。

グッドスマイルカンパニーの会長であり、グッドスマイルレーシングのエントラント代表でもある安藝貴範(53)はその目的を語る。

「痛車を使ってプレゼンテーションを高めれば、レースができるんじゃないかと。(当時は)初音ミクが世の中に誕生してファンの支援を強く受け始めた頃、チームを応援してもらうという意味でも初音ミクがいいんじゃないかと」

初音ミクGTプロジェクトのスローガンは、”ファンと共に走るレーシングチーム”。

それを体現する取り組みの一つが、ファンからの支援で運営資金を獲得する「個人スポンサー制度」。今では個人スポンサーからの支援が、チーム運営資金の3分の1を占めている。

「予選通過できない、車が壊れるという状態でも、かなり熱烈な応援をいただいて、この活動を資金不足みたいなことではやめるわけにはいかないなと考えました。それであれば(資金を)直接的に応援してもらえる形も成立するんじゃないかということで」

一口3,000円から支援することができ、中には35万円のコースも。高額スポンサーは広告としてレーシングカーに名前を掲載。まさに“ファンと共に走る”レーシングカーなのだ。

「僕らも助かっているし、応援してくれている方々も“我がごと”になるというか、『あのタイヤ1本に俺の出したお金がかかっているよな』みたいな感じで、僕らも雑にタイヤを使えなくなっちゃうし」

そして、そこに人を集める一端を担ったのが「初音ミク」というキャラクター。

それはモータースポーツに縁がなかった人もサーキットに引き寄せるきっかけになった。

女性ファン:
きっかけはやっぱり、ミクちゃん。GTカーを見て「え?ミクちゃん走ってる!」みたいな。そこからですね、もうのめり込んで。

男性ファン:
レースには興味あったんだけど、そこに初音ミクがやってきて走り出した。サーキットが身近になったのが大きいですね。

音楽制作ソフトからバーチャルシンガーとして世界的な人気キャラクターになった初音ミク。

そんな初音ミクの“生みの親”、クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長(59)は、自らのキャラクターがサーキットで果たす役割をこう語ってくれた。

「初音ミクは歌を歌うソフトウェアなんですよね。イラストを描く、音楽を作る、レースをする、いろんな接点になっている存在で、モータースポーツを盛り立てていくために、初音ミクが活用されていくとすごくいいなと思います」

まさに様々な人をつなぐ「接点」としてサーキットを走るグッドスマイルレーシングの初音ミク号。繋いだ人々の輪はさらに広がっていきそうだ。

安藝代表の今後の展望は。

「海外のグッドスマイルレーシングファンが増えていて、もっともっと海外レースとかね、いろいろなエリアでレース活動を展開していきたいというのは夢ですね。やりたいと思っています」

グッドスマイルレーシングの第4戦終了時点でのランキングは27チーム中6位。"ファンと共に走るレーシングチーム"として、今週末第6戦を迎える。

(映像提供:GTA)

「MONDAY MOTOR SPORT」
フジテレビ系「FNN Live News α」内で放送
毎週月曜23時40分~

スーパーGT2024
9月21日(土)~22日(日)
第6戦 スポーツランドSUGO
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トヨタイムズ
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