栃木・宇都宮市で、住宅の道路に押し寄せた大量の土砂の出どころをめぐり、あるトラブルが起きていた。
造園会社の土が、“土留め”などの対策がないため道路に流れ出てしまったといい、市は「造園会社には、土砂の流出が起きないよう対策を講じてほしいと指導している」とコメントした。
下り坂の斜面の土砂が雨で流出
大量の土砂が押し寄せた栃木・宇都宮市の住宅街で、土砂の撤去作業が行われていたが、車が通ると土ぼこりが舞っていた。
この記事の画像(10枚)住宅街に押し寄せた土砂は、いったいどこから流れ込んできたのか。
現場近くに住む人は「造園会社さんの土地の急斜面、下り坂の斜面の土砂が(雨が降るたびに)全部、全部こっち(道路に)出てくるんですよ」、「土を留める“土留め”をするんですけど、一切やってないから、雨が降るたびに土砂が流れてきちゃう。津波ですね、津波と一緒ですね」と訴える。
“土留め”などの対策がないため、造園会社の土が道路に流れ出てしまったという。
被害は、今回だけではない。
8月24日、宇都宮市内は午後5時32分までの1時間に98.5mmの猛烈な雨を観測。
道路は冠水し、茶色く濁った水が住宅街に押し寄せていた。
そして水が引くと、周辺の道路や住宅には、大量の土砂だけが残る状況が繰り返されているのだ。
雨が降るたびに押し寄せる土砂に、住民の不安は募るばかりだ。
造園会社「自然災害…責任はない」から一転「適切な処置をしていく」
近所の人は「ゴミも全部一緒になっちゃいますから、衛生的にすごくよくないんですよ。においも臭いですね。生臭いにおいで、すごく困っています」と話す。
住民は、造園会社に被害を訴えたが、「自然災害なので責任はない」、「市役所に言ってほしい」という回答だったという。
土地の持ち主である造園会社を取材すると、「市役所の指導のもと、今後適切な処置をしていきます」と話した。
今回の問題について、市に問い合わせると、「造園会社には、今後、土砂の流出が起きないように対策を講じてほしいと指導しています」とコメントした。
市民の生活を脅かす自然災害。早急な対応が求められている。
(「イット!」9月13日放送より)